2016年2月23日火曜日

KFエンジンの中身

このところネタもないから更新してなかったが、ちょっと前にダイハツのKFエンジンをオーバーホールしたので、その事でも書いてみる。
S321Gアトレーワゴンで、走行距離は約12万km。
途中のオイル管理が悪くて、オイルを食う様になってしまった。
3000kmも走るとオイルランプが点くくらいに酷くなって、これじゃ安心して乗れないって事でオーバーホールする事になった。
この手の軽のワンボックスは仕事で使ってる人が多く、潰れるまで乗るケースが多い。中古でも程度のいいのを買おうと思うと結構な値段だったりする。
乗り換えてしまうよりは、費用は掛かるがエンジンをオーバーホールするのも手だと思う。

タイミングベルトのEFエンジンならブロックを残したままヘッドとピストンは外す事ができるが、KFだとタイミングチェーンなので面倒だがエンジンを降ろす事にした。

FR構造だし軽なのでミッションごと降ろしてもそれほど手間ではない。

ミッションも軽いので、外すのはそれ程面倒でもない。


作業をしてて気になったのが、所々に一度エンジンを一度降ろした様な形跡があった。
INマニが液状パッキンを塗って組付けてあった。
他にもパッキン類に液状パッキン塗って再組付けしてある。本来再使用不可なのに・・・
どうやらディーラーさんでカムチェーンカバーとヘッドガスケットからのオイル漏れのクレーム修理をやったらしい。

周りの部品が外れてしまうと、随分コンパクトになってしまう。さすが軽のエンジンw

排気ポート。
それなりにカーボン貯まってるだな。






吸気ポート。
バルブシール駄目になって、大分オイル吸ってるみたいだ。
大抵負圧になる吸気側の方がオイルを吸いやすい。
オイル消費が多くなるのは大抵これが原因だ。


オイルパンはぐったところ。
オイルパン外さないとカムチェーンカバー取れないんだよな・・・



ヘッドカバー剥がした。
意外とカーボンは溜まってない。
よくオイルが漏れるチェーンカバーの中は、こんな作りになってんだな。
ヘッドカバーとオイルパン剥がさないと外れない。
この部分のオイル漏れの修理は厄介だな・・・
バルブクラランス調整のシムはタペットと一体型になってる。
クリアランス調整はタペットごと交換しなければならない。
高くつくな・・・と思っていたが、1個840円だった。
この手の部品にしちゃ安いが、全部交換になると約1万円になっちまうだな・・・
燃焼室はそれなりにカーボン溜まってる。
シリンダーはそれ程摩耗してないだな。
クロスハッチもまだちゃんと残ってる。
KFエンジンはサイアミューズタイプのシリンダーで、ブロックは全部金型で出来てるみたいだな。
画の右下の細長い開口部はオイル回収口になってるらしいが、この部分からのオイル漏れのトラブルをよく見る。
8本のヘッドボルトでヘッドは留まってる訳だが、ガスケットの材質や面精度によって漏れがでるのかもしれない。位置的に面圧が掛かりにくい部分になるだよな。

ポートはバリが少なく、意外とスムースに出来てる。
スズキのF型やK型エンジンだと結構バルブガイドが摩耗してガタが出てる事あるが、このエンジンはそれ程摩耗はない様でガタもなかった。
オイル下がりでカーボン溜まってるが、フェースの異常摩耗もなく何とか使えそうだ。


オイル下がりの原因はこれ。
バルブシールは硬くなってしまって、シールの役目ができてない。
どうもKFエンジンの弱点の様で、ちょっとでもオイル交換の時期を長くしてしまうとやられてしまうらしい。
部番が変わってるみたいなので、対策品にはなってるんだろか・・・?
洗浄液に漬けてカーボン落とす。
エンジンオーバーホールでは、この作業が一番手間がかかる・・・
ピストンのカーボンは凄い事になってるだな・・・
ピストンリングはさして摩耗してないのでそのまま使いたかったが、オイルリングのカーボン落とす手間を考えたら、面倒なので交換する事にした。

ピストンとコンロッドの形状は一昔前のレーサーみたいな作りだなw

洗浄完了。
見えない部分だけど、きれいになれば気分もいいもんだw
ピストンリング溝のカーボン落としは結構な手間だ。
ピストンピンは圧入タイプで、抜いたらピストンは再使用不可らしい。




クランクリアシールの当り面は摩耗したかいな・・・
カーボン溜まってると摩耗して線が入っちゃう事あるんだよな。
ガスケットのカスを取って、ヘッドとの接触面をきれいにしておく。


バルブもきれいになった。
これのカーボン落としも結構手間だよな・・・
摺り合わせて当りの確認。
なんとか使えてよかったw
バルブが組めた・・・

ピストンセットする・・・
合体~
バルブクリアランスを調整。
タペットの厚みを測定。
何度かカムを脱着してクリアランスの調整おわった。
バルブクリアランスはカム廻りの分解組立が必要なのと、タペットの部品発注で時間が掛かるのでめんどくさいw
結局12個中10個タペットの交換が必要だった。
この部分の部品代だけでも結構掛かっただな・・・
やっとエンジン単体の組付け終わった・・・

周辺部品を組み付けて・・・

やっとこエンジン乗っかった・・・
OH後したらエンジン音がとても静かになった。
バルブクリアランス調整は手間かけてやっただけの事はある。
新車の様にとはいかなくても、これならまだ当分使えるだろう。
費用はそれなりにかかったが、中古で得体のしれない物に乗り換えるよりは遥かにいい。

後日談が一つ。
納車してしばらくして、アイドリングが高くなる事があると、お客さんが持ってきた。
しばらくうちでテストしてみたが、どうも症状が出ない。
色々聞いてみると、どうもエアコンや電気負荷が掛かってアイドルアップした時に回転が上がりすぎてたらしい。
そういえばと思いついたのはEFIの学習機能だった。
おそらくアイドルアップは、正規のアイドル回転時のISCVの開度から、何ステップか開くという様な制御をしているはずだ。
ポート内のカーボンが無くなったため、吸気量が増えたと考えられる。
前の学習値のままだと回転が上がりすぎたのかもしれない。
うちに持ってくる間に学習機能が働いて、症状が出なくなったのだろう。
OH後は念のため全負荷掛けて試験はしていたのだが、条件(水温等)が違って気が付かなかったみたいだな。
とりあえず学習値をリセットしておいた。リセットはエンジンルームにあるヒューズボックス内の「EFI」の15Aを抜いて数秒待てば出来る。
これで納車したが、その後症状は出なくなって調子よく使えてるそうだ。
しかしうっかりしてたな。OHしたときはリセットしないといけなかったな・・・

2015年9月1日火曜日

なんだかな・・・

スズキのスプラッシってハンガリーで作ってるんだっけ?
バッテリーは輸入車に付いてるタイプを使ってる。
スプラッシュに使ってるバッテリーは、一般の輸入車には使われてないらしく、専用バッテリーになっていて、スズキから純正で買わなければいけないらしい。値段は3万円近いそうだ・・・
スプラッシュはバッテリー収納部の高さに余裕があるので、自分のクルマだったら加工して国産の75D23辺りを付けてしまうのだが、お客さんのクルマでは仕方がない。
バッテリー屋さんに調べてもらったら、パナソニックの52-21Hってのが使えそうな事がわかった。純正より1万円ほど安いw
純正で付いてた物より、ちょっと容量が大きいみたいだ。
縦横のサイズはほぼ同じだが、高さが僅かに高い。
取り付けてみた。
輸入車と同じバッテリー底部の突起で固定するタイプだが、この部分は規格で決まっているので、どのバッテリーも同じだ。
バッテリーの受けに穴あけて国産車の様に固定すれば、国産のDタイプのバッテリーも使える。
しかしなんとも馬鹿らしい事である。
まあ海外生産車だからしょうがないか・・・

2015年8月18日火曜日

運がいい?

 L700Sのミラ。
アイドリングが不安定で、ISCVのアクティブテストをすると開きが悪い事が分かった。(50%開度で回転上がらない)

ISCVを外して単体でバルブの開度を見ていて気が付いた・・・イグニッションoffなのに、何故かISCVがカタカタ動いてる。
暗電流を測ると300mAも流れている。
回路図をたどってみたら、EFIリレーがoffにならない様だ・・・固着してるのか?
EFIリレーを引っ叩いたら暗電流は落ちた。
やっぱり固着してるだな・・・
左が固着したEFIリレーで、右が新しく来た物。
こんなのも壊れるもんなんだな・・・
お客さんは毎日乗ってたからよかったが、二週間ぐらい乗らなかったらバッテリー上がってたかもしれないな。
ちなみにリレーは2000円程度。

ISCVが開きにくくなったのは、これと関係があったかは分からない。
カーボンの堆積かとも思ったが、単体で動かすとバルブの開度が少ない。
通電しっぱなしで動きが悪くなったのか?・・・ISCVは交換となった。

たまたま気が付いたからよかったが、ヘタするとそのままになってたかもしれない。運がよかった。
修理中に別件の故障が見つかる事ってよくある事だ。
注意しないといけないな・・・



2015年8月17日月曜日

あるんだな

H4のヘッドランプのコネクターって、たまに溶けちゃって接触不良になってる事がある。
この手のコネクターって部品設定がなくて困るんだな・・・
しょうがないから解体車から取ってきて修理する事が多い。
何かいいのないのかな?と探してたら、三菱に部品設定があった。
探してみるもんだなw

2015年7月22日水曜日

念入りな作り?

 平成11年のBH5レガシィ。走行距離13万km。
別件で入庫したが、その時「Dレンジに入れても発進しない時があって、アクセル踏むと急に動き出す事がある」という。
確かにNからDに切り替えたときに、クリープが無い時がある。Dに切り替わってない様だ。
こっちの方が問題が大きそうだ。もしかしたらATが壊れかけてるのかもしれない。
たまにしか車検で入らないお客さんで、ここ二回ぐらいはうちで車検やったが、その前の整備履歴がわからない。ATFの交換した事があるのかどうか・・・

Dレンジに切り替わらない理由としては、1stのクラッチかワンウェイの不良か、油圧の低下が考えられる。
油圧の低下なら、中を掃除すれば直るかもしれない。
とりあえずオイルパンを剥いでみる事にした。
ATFはそれなりに汚れてはいるが、スラッジが堆積している感じはない。
金属粉は見られないから、機械的な部分はまだ大丈夫そうだ。
ストレーナーを外してみた。
外した途端に中からATFが流れ出てきた。
ストレーナーが大分詰まってたみたいだ。
目の細かい金網で出来ているが、表面は微妙に細かいゴミで詰まっている。
掃除して再使用って手もあるのかもしれないが、念のため新品に替えた。
この年式だとAT専用のオイルフルターも付いているので、これも交換しておいた。(ジャトコ製のATなんだろか?)
ATFは「スバルECVTフルード」ってのが指定になってる。
念のため純正のATFを4ℓ缶で2個注文してみたら、来たのは「ATF」ってやつで、中身は普通にデクスロンタイプと同じみたいだった。
ATFは二缶でぎりぎり間に合った。すぐに作業できず、しばらく放置してたので、ほとんど抜けきってしまった様だ。
修理後は正常にDレンジに切り替わる様になった。
バルブボディーの中が詰まっていなくてよかった。
しかしこれだけ目の細かいストレーナーがあって、さらにオイルフィルターまで付いてるってのも、やけに念入りな作りだな・・・


2015年7月16日木曜日

完璧でない

ある3t車のフロントハブ。
フロントにかぎらないが、この手の構造はほとんどの場合、内側のオイルシール側のグリスが汚れている。
おそらくシールから入った塵によってグリスが汚れるのだと思う。
トラックにかぎらず、この手の構造のハブは、クルマの大小に関わらずこの傾向がある。
オイルシールの類が完全に塵や水の侵入を防ぐものでないのだろう。

こういった物の中で、ショックアブソバーはもっとも厳しい使われ方なのかもしれない。
外部に露出したロッドが、シールを介してシリンダー内に出入りする。
ロッドの表面に付着した細かい汚れは、さすがにシールでは完全に落とすことはできない。
ダンパーオイルの劣化の最大の原因は、侵入した汚れによるものとだと思う。
これはバイクのフロントフォークをOHしていてよく思った。

昔の4駆や今でもジムニーに使われてるフロントハブの構造も、よくよく考えると凄い作りだ。
球面状のジョイントの周りに、大きなオイルシールを被せてハブのシールとしているが、あれも球面状のジョイントに付着した汚れは完全に落とされず、ハブの中に入ってしまう。
長い事OHしなかったりすると、中のグリスはドロドロになるし、酷いとキングピンのベアリングが錆びてガタが出てしまう事もある。

シールといえば、ブレーキのキャリパーなんかもダストシールって完全なものでない。
長年使ってると微妙に侵入した水や塵で、シリンダーは汚れてくる。
ゴムの張力で押さえてるだけなので仕方がない。
だからパッド交換の時はキャリパーもOHすべきだ。

完璧なものでないけど、コストとの兼ね合いでとりあえず使えてる物って意外と多い。
本質を見極めて適切なメンテナンスをしていけばいいのだと思う。
使いっぱなしでいい物なんてない・・・


2015年6月11日木曜日

気が利いてる

最近のクルマのフロントのサスペンションのスタビライザーは、ストラットにピロボールのリンクでつながっているが、ちょっと前までは画の様な串刺しのゴムブッシュでロアアームにつながっていた。
古くなったり走行距離が多くなると、ゴムのブッシュが砕けて、金属同士が接触してギコギコと異音が出たりする。
ゴムのブッシュだけ交換しようと外してみると、ボルトが錆びて固着してたりする。
結局全部交換になったりするのだが、部品点数が結構多くなって、部品商に発注するのが厄介だったりもする。
注文するの面倒だな・・・と思っていたら、部品商が社外品で1セットになってるのがあると教えてくれた。
純正品より若干安いらしい。
大手のパッキンやブッシュのメーカーの物だから、品質は間違いないだろう。
純正品をバラバラで頼むと部品点数の確認も面倒だったるすので、セットになっているのはありがたい。