エンジンの力がなくなって、アイドリングも不安定になっている。
圧縮を測ってみると、1番3番は11.5kgf/cm^2あるが、2番は4.2kgf/cm^2しかない。
K6Aエンジンで3速AT車で高速走行が多かったり、プラグが摩耗したまま使っていたりすると、冷却が厳しい2番シリンダーの排気バルブが損傷する事があるらしい。
縦置きK6Aの中古品は品薄状態で入手できないので、仕方なくエンジンをオーバーホールする事にした。
ヘッドを開けたら、案の定2番シリンダーの排気バルブが1本小さくなっているぞ・・・
シートカットできるんだろか・・・?
損傷した排気バルブはこんな状態だった。
よくもまあ、こんなバルブで動いてたもんだw
とりあえず溜まったカーボンやスラッジをきれいに清掃。
サンエスの洗浄剤を使った。お湯を沸かして洗浄剤を溶いて漬け込む。
オイル管理が今一なクルマだったので、スラッジが凄い事になっていた。燃焼室のカーボンも簡単には落ちない・・・
オーバーホールで一番手間だったのは、部品の洗浄だったかもしれないw
シートカットできるか心配だったが、ボーリング屋さんに持っていって相談したら、K6Aはシートカットするとバルブクリアランスが調整できなくなる事があるから、すり合わせだけやった方がいいとの事。
損傷したバルブだけ簡単にシートカットして、後のバルブは自分で摺り合わせた。
実はバルブガイドのがたが少し出ていて、本来ならばガイドとシートの入替えと全バルブ交換をしたいところだが、予算の都合と今後の寿命を考えて、損傷した排気バルブ1本交換とバルブ摺り合わせだけで我慢した。
バルブシートに段付きがあったので、ついでだからリューターで簡単に削り取っておいた。
K6Aエンジンはヘッドを外すにはオイルパンも外さなければならないので、ついでだからピストンを外して洗浄する。
案の定オイルリングはカーボンが固着して、オイルを掻き落とす事が出来なくなってる。
オイル管理が悪くてもオイルが入ってさえいれば意外と摩耗は少ないのだが、カーボンやスラッジが酷く堆積する事になる。
カーボンやスラッジの堆積はオイルギャラリーのつまりにより潤滑不良をおこしたり、オイルリング固着によりオイル消費を多くしたり、シール類を傷つけオイル漏れの原因になったりする。
リング溝のカーボンがなかなか落ちなくて苦労した・・・
シリンダーとピストンやメタル類は意外と摩耗は無かったが、ピストンリングは合口隙間を測定してみたら規定値ぎりぎりだったので交換する事にした。
オイルリングは使えそうだったが、コンプレッションリング2本とオイルリングで1セットでしか設定がない。
3気筒分となると結構な部品代になる。
なんでも交換してしまえば安心ではあるが、予算の都合もあるのでそうもいかない。
規定値以内ならば出来るだけ使える物はそのまま使う。せっかく当たりが出てる物を、また新たに慣らしをしなければならなくなるしね。
K6Aのバルブは直動式でタペットシムはアウタータイプになってる。冶具を持ってればカムが組んだままでも取り外しが出来るが、そんなものは持ってないので、何回かカムを脱着しながらクリアランス調整をする。
カムチェーンは思ったほど伸びてない様だったが、念のため交換した。テンショナーとスライダーは若干の摩耗はあるものの、大きく摩耗してなかったのでそのまま使った。
オーバーホール後は嘘の様にエンジン音が静かになり力強くもなった。
新車の様とまでは行かないが、これなら車体の寿命まではエンジンはしっかり働いてくれるだろう。
お金をいくらでも掛けていいというのならば、もっと色々やる事もあるが、なかなかそうもいかない。使える物はなるべく使って、必要な物は交換する。その辺のさじ加減は結構難しく面倒でもあるけれど、これがなかなか面白くもあるんだよなw
2012.11.28追記
この記事を取り上げてK6エンジンが欠陥エンジンのごとく言ってる人がいる様だが、それは間違いだ。
2番シリンダの排気バルブ損傷の最大の原因は、プラグを摩耗したまま使っていた事にある。
プラグの火花が飛びにくい状態だと、燃焼が短時間で完了できなくなり、未燃焼ガスが排気バルブを焼く事になる。
確かにある時期のK6エンジンの排気バルブは耐久性が劣ってはいたが、ちゃんと整備されていれば問題ないものだった。
途中で排気バルブは変更されているので、焼損のトラブルは減った様だ。
しかしそれでも整備不良ならば焼損するだろう。
格安を謳った車検専門店などは、プラグの点検なんかしない場合が多いからな。
ましてやユーザー車検しかやった事がなければ、それは持ち主の責任であるw
クルマが欠陥だと言う前に、それはちゃんと整備してあったものなのか?
エンジンオイルだけ交換していればクルマは壊れないと思ってるようじゃしょうがないよw
2012.11.28追記
この記事を取り上げてK6エンジンが欠陥エンジンのごとく言ってる人がいる様だが、それは間違いだ。
2番シリンダの排気バルブ損傷の最大の原因は、プラグを摩耗したまま使っていた事にある。
プラグの火花が飛びにくい状態だと、燃焼が短時間で完了できなくなり、未燃焼ガスが排気バルブを焼く事になる。
確かにある時期のK6エンジンの排気バルブは耐久性が劣ってはいたが、ちゃんと整備されていれば問題ないものだった。
途中で排気バルブは変更されているので、焼損のトラブルは減った様だ。
しかしそれでも整備不良ならば焼損するだろう。
格安を謳った車検専門店などは、プラグの点検なんかしない場合が多いからな。
ましてやユーザー車検しかやった事がなければ、それは持ち主の責任であるw
クルマが欠陥だと言う前に、それはちゃんと整備してあったものなのか?
エンジンオイルだけ交換していればクルマは壊れないと思ってるようじゃしょうがないよw