2010年12月29日水曜日

漏電か・・・?

平成12年のDA52Vエブリィ。
車検が切れて半年以上放置されて、もう乗らないからという事で、うちで買い取って代車にでもしようとなった。
長い事放置してたのでバッテリーは完全に上がっていた。とりあえず中古のバッテリーを付けて、引き上げてから数日したところで車検整備にとっかっかる。
一通り整備をして、最後にバッテリーの比重を見たら、完全放電に近いぐらいに落ちていた。中古とはいえ、非常用に常に充電しておいたものなので、いきなり比重が下がるのは異常だ。
暗電流を測定すると約60mAある。車種によってはこのぐらいのもあるが、この手のクルマにしては異常に多い。それも気温?によって変わるのか、測る時によって20mAぐらいになったり安定してない。
ヒューズを片っ端から外していくと、パワステのところで暗電流が落ちて約6mAになった。
パワステコントロールユニットのコネクターを外していくと、電源線で暗電流が無くなる。パワステ本体でなく、コントロールユニット内で消費している様だ。
コントロールユニットを開けてみると、液体がかかった痕跡があった。ステアリングコラムの真下にあるので、飲み物をこぼしたのかもしれない。
これが原因なのかは分らないが、洗浄液で洗ってみたが回復はしなかった・・・
コントロールユニットを外しておいて、重ステで使えばいいかw・・・と思ったが、解体屋さんに聞いたらちょうどDA52Vを解体中だという。
ラッキ~w、と早速引っぺがしてきてくっ付けたら、暗電流は6mAに下がった。
 
解体屋さんには毎度の事ながら感謝だわw

2010年12月28日火曜日

未知の領域・・・

平成9年のSR40のライトエースノア。
走行距離はなんと37万km。
新車時よりうちでメンテナンスしていて、12ヶ月点検も欠かさず行なってきた。エンジンオイルも5000km毎に交換している。結構手を掛けてきたクルマだ。
 
車検で入庫したのだが、整備が終わってエンジンを4000rpmぐらいまで回すと「カタカタ・・・」と音がするのに気が付いた。
そういえばお客さんが「加速する時にノッキングみたいな音がする時がある」って言ってたのを思い出した。
アイドリングから低回転は、まったく問題無く回っているが、4000回転超えた辺りから出はじめる。
バルブスプリングが折れてサージングを起こしてるのか?と思いつつ、回転を上げつつ音の出所探っていると、急に「バーン」と音がした・・・
あわててエンジンを止めたがもう遅い・・・見るとオイルパンが破れてドロドロとオイルが漏れているw

車載状態でオイルパンを剥ぐって見たら、コンロッドが落ちてきた。メタルキャップが引きちぎれてる・・・
よくよく見ると2番のシリンダにピストンが、ちょうどオイルリングの辺りでハンバーガー状に切れて、ピストントップだけがシリンダ内に残ってる。
ピストン下部は粉々だ。通常メタルキャップが切れて、シリンダーヘッドに当たったならば、ピストン頭部は粉々に割れるはずだ。
状況から判断すると、ピストン下部が割れて、コンロッド小端がシリンダブロックに当たってへし曲がったのだろう。その衝撃で大端のキャップが切れて、コンロッドが落ちたものと思われる。
 
 
 
 
  
エンジンを下ろしてヘッドを剥ぐってみた。
2番ピストンはヘッドのスキッシュにぶつかって割れてはいるが、比較的きれいに残っている。
コンロッドが付いたままヘッドに当たっていたら、こんなものではすまなかっただろう・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2番の燃焼室。奇跡的にヘッドは、ほとんど無傷だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
破壊した2番ピストン。
よくよく見るとボス部に細かい亀裂がある。どうやらボスに亀裂が入り、ピルトンが上下に割れた様だ。
カタカタ音がしていたのは、この部分が切れかかっていたからだろうか。
しかしよく回っていたもんだw
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
それなりにカーボンが付着しているが、大きな摩耗は無い様だ。
30万km過ぎた辺りからオイル消費が多くなってきたが、どうやらオイルリングが固着していたのが原因の様だ。(ステムシールは途中で交換済みだった)
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
シリンダも一部摩耗が進んでいるが、37万km走った割りには大きくは摩耗していない。ホーニング跡もちゃんと残っている。
大昔のエンジンは10万kmも走ると、指で触って段付きが分る程度になったそうだ。
 
今までに分解したエンジンを見ていると、余程オイル管理の悪い車両でもオイルさえ入っていれば、エンジン内の摩耗は意外と無い様だ。ただしカーボンの付着は著しくなる。
カーボンはシリンダ壁面に付着した燃焼滓が、オイルと一緒に掻き落とされる事により溜まってくる。
オイル中のカーボンはオイルシールを摩耗させる原因になり、やがてオイル漏れを引き起こす。
一度堆積したカーボンは、フラッシングなんかした位じゃ落す事はできない。
 
 
 
 
 
 
 
 
メタルも傷も無くほとんど摩耗していない感じだ。
無論クランクピン側もきれいなもんだw













奇跡的にヘッド、シリンダ、クランクピンとも無傷だったので、ピストンとコンロッドを新調して修理しようかとも思ったが、知り合いの解体屋さんに4万kmちょっとの程度のいい解体車があったので、このエンジンとATをセットで移植する事にした。
さすがに修理しても、他のピストンが同じ様に壊れる可能性も無きにしも非ず・・・
本当ならば修理して、あとどれぐらい使えるかやってみたかったw
 
しかしエンジンが先に壊れるとは思わなかった。てっきり車体かATが壊れるものと考えていた。(もちろん予防整備はしっかりやってはいる)
お客さんには「30万kmも超えると、何が起こるか分らないですよ~」なんて言っていたが、本当に何が起こるかは分らないものだ・・・
乗用車は30万kmも超えると、まさに未知の領域だなw
 
路上で壊れなくてよかった・・・