ジムニーの車検をやってたら、トランスファのドレインボルトが固着してた。
ディーラーさんでオイル交換してそのままだったので、おそらくシール剤を塗って留めているのだろう。
基本的にテーパーネジになってるのでシール剤塗らなくても滲んでくる事はない。
シール剤塗ると固着しちゃう事あるんだよな・・・
どうにも回らなくて、ネジの頭がバカになってしまった・・・しょうがないからボルトを熔接して外した。
スズキのこの手の四角ボルト(って言うのか?)は対面幅10㎜で、3/8incのレンチで回らないこともないが、ボルトが傷つくのでお勧めできない。
昔散々探して10㎜の四角ソケットを手に入れた。今なら安いのが結構あるらしい。
しかし余計な手間掛かったな・・・困ったもんだw

2016年7月29日金曜日
クラッチ3点?
最近はAT車が多くなってきて、クラッチの交換って少なくなってきた。
クラッチ踏むと音が出るってお客さんが持ってきた。
てっきりレリーズベアリングだと思ったら、パイロットベアリングが固着していた。
うちではたいていの場合、パイロットベアリングも交換している。
部品商に聞くとクラッチデスク、カバー、レリーズベアリングの3点はセットでよく出るが、パイロットベアリングはあまり出ないんだとか。
抜き取りと圧入で結構手間だから、交換しない所が多いんだろうか・・・?
この手のベアリングは中に封入したグリスで潤滑しているわけだが、使われ方としてはかなり厳しい条件なんだと思う。
もう一つクラッチの部品で要注意なのがレリーズレバー。
鋳鉄で出来ている様なものは問題ないが、薄い鉄板で出来ている様な物はクラッチレリーズのピストンで押される部分が摩耗している場合がある。
最悪これが突き抜けてクラッチが切れなくなる事がある。
大した値段出ない場合が多いので、摩耗が少なくても交換してしまう方がいい。
クラッチ踏むと音が出るってお客さんが持ってきた。
てっきりレリーズベアリングだと思ったら、パイロットベアリングが固着していた。
うちではたいていの場合、パイロットベアリングも交換している。
部品商に聞くとクラッチデスク、カバー、レリーズベアリングの3点はセットでよく出るが、パイロットベアリングはあまり出ないんだとか。
抜き取りと圧入で結構手間だから、交換しない所が多いんだろうか・・・?
この手のベアリングは中に封入したグリスで潤滑しているわけだが、使われ方としてはかなり厳しい条件なんだと思う。
鋳鉄で出来ている様なものは問題ないが、薄い鉄板で出来ている様な物はクラッチレリーズのピストンで押される部分が摩耗している場合がある。
最悪これが突き抜けてクラッチが切れなくなる事がある。
大した値段出ない場合が多いので、摩耗が少なくても交換してしまう方がいい。
ダダ漏れ・・・
うちには入った事ない車だったが、パワステが効かなくなったとの事で入庫した。
数日前からパワステの効きが悪くて、ガソリンスタンドでフルードを足しながら使っていたという。
持ち上げて見てみると、戻り側の低圧ホースからダダ漏れになってるみたいだ・・・
低圧のゴムホースが劣化して穴があいたらしい。
形状的に無理があるのかもしれないな・・・
曲がりの部分が裂けている。
まあゴム部品だからしょうがないか。
車の各部に使われてるゴム部品は、昔に比べると寿命が長くなったが、駄目になる時は駄目になるもんなので注意が必要だな。
本来は定期的に交換してしまえばいいのだが、この手の部品は数が多い上に交換しにくいから困ったものだ。
点検時によく注意しないといけないな・・・
2016年4月6日水曜日
ヘタってるのか?
平成20年のS200Pハイゼット。走行距離は8万㎞ちょい。
ATのシフトレバーがおかしくなって走れないと、お客さんから電話がきた。
見に行ってみたらシフトケーブルが切れたみたいな状態でシフトできない。
とりあえず下にもぐって、ATのインフィビターをDレンジに入れて無理くり走れる様にして引き上げてきた。
てっきりケーブルが切れているのかと思ったら、ATシフトレバー根本で、ケーブルが外れているだけだった。
ピロボール部分はゴムの様な樹脂で出来ていて、レバー側のシャフトには小さな返りが付いていて、この部分に刺さってるだけの構造だった・・・
ピロボール部を嵌めればとりあえずは使えるが、また外れると厄介なので新品に交換した。
見たところ極端にヘタってる感じもないのだが・・・
刺さってるってだけの構造がよくないよなw
2015年7月22日水曜日
念入りな作り?
平成11年のBH5レガシィ。走行距離13万km。
別件で入庫したが、その時「Dレンジに入れても発進しない時があって、アクセル踏むと急に動き出す事がある」という。
確かにNからDに切り替えたときに、クリープが無い時がある。Dに切り替わってない様だ。
こっちの方が問題が大きそうだ。もしかしたらATが壊れかけてるのかもしれない。
たまにしか車検で入らないお客さんで、ここ二回ぐらいはうちで車検やったが、その前の整備履歴がわからない。ATFの交換した事があるのかどうか・・・
Dレンジに切り替わらない理由としては、1stのクラッチかワンウェイの不良か、油圧の低下が考えられる。
油圧の低下なら、中を掃除すれば直るかもしれない。
とりあえずオイルパンを剥いでみる事にした。
ATFはそれなりに汚れてはいるが、スラッジが堆積している感じはない。
金属粉は見られないから、機械的な部分はまだ大丈夫そうだ。
ストレーナーを外してみた。
外した途端に中からATFが流れ出てきた。
ストレーナーが大分詰まってたみたいだ。
目の細かい金網で出来ているが、表面は微妙に細かいゴミで詰まっている。
掃除して再使用って手もあるのかもしれないが、念のため新品に替えた。
この年式だとAT専用のオイルフルターも付いているので、これも交換しておいた。(ジャトコ製のATなんだろか?)
ATFは「スバルECVTフルード」ってのが指定になってる。
念のため純正のATFを4ℓ缶で2個注文してみたら、来たのは「ATF」ってやつで、中身は普通にデクスロンタイプと同じみたいだった。
ATFは二缶でぎりぎり間に合った。すぐに作業できず、しばらく放置してたので、ほとんど抜けきってしまった様だ。
修理後は正常にDレンジに切り替わる様になった。
バルブボディーの中が詰まっていなくてよかった。
しかしこれだけ目の細かいストレーナーがあって、さらにオイルフィルターまで付いてるってのも、やけに念入りな作りだな・・・
別件で入庫したが、その時「Dレンジに入れても発進しない時があって、アクセル踏むと急に動き出す事がある」という。
確かにNからDに切り替えたときに、クリープが無い時がある。Dに切り替わってない様だ。
こっちの方が問題が大きそうだ。もしかしたらATが壊れかけてるのかもしれない。
たまにしか車検で入らないお客さんで、ここ二回ぐらいはうちで車検やったが、その前の整備履歴がわからない。ATFの交換した事があるのかどうか・・・
Dレンジに切り替わらない理由としては、1stのクラッチかワンウェイの不良か、油圧の低下が考えられる。
油圧の低下なら、中を掃除すれば直るかもしれない。
とりあえずオイルパンを剥いでみる事にした。
ATFはそれなりに汚れてはいるが、スラッジが堆積している感じはない。
金属粉は見られないから、機械的な部分はまだ大丈夫そうだ。
ストレーナーを外してみた。
外した途端に中からATFが流れ出てきた。
ストレーナーが大分詰まってたみたいだ。
目の細かい金網で出来ているが、表面は微妙に細かいゴミで詰まっている。
掃除して再使用って手もあるのかもしれないが、念のため新品に替えた。
この年式だとAT専用のオイルフルターも付いているので、これも交換しておいた。(ジャトコ製のATなんだろか?)
ATFは「スバルECVTフルード」ってのが指定になってる。
念のため純正のATFを4ℓ缶で2個注文してみたら、来たのは「ATF」ってやつで、中身は普通にデクスロンタイプと同じみたいだった。
ATFは二缶でぎりぎり間に合った。すぐに作業できず、しばらく放置してたので、ほとんど抜けきってしまった様だ。
修理後は正常にDレンジに切り替わる様になった。
バルブボディーの中が詰まっていなくてよかった。
しかしこれだけ目の細かいストレーナーがあって、さらにオイルフィルターまで付いてるってのも、やけに念入りな作りだな・・・
2015年7月16日木曜日
完璧でない
ある3t車のフロントハブ。
フロントにかぎらないが、この手の構造はほとんどの場合、内側のオイルシール側のグリスが汚れている。
おそらくシールから入った塵によってグリスが汚れるのだと思う。
トラックにかぎらず、この手の構造のハブは、クルマの大小に関わらずこの傾向がある。
オイルシールの類が完全に塵や水の侵入を防ぐものでないのだろう。
こういった物の中で、ショックアブソバーはもっとも厳しい使われ方なのかもしれない。
外部に露出したロッドが、シールを介してシリンダー内に出入りする。
ロッドの表面に付着した細かい汚れは、さすがにシールでは完全に落とすことはできない。
ダンパーオイルの劣化の最大の原因は、侵入した汚れによるものとだと思う。
これはバイクのフロントフォークをOHしていてよく思った。
昔の4駆や今でもジムニーに使われてるフロントハブの構造も、よくよく考えると凄い作りだ。
球面状のジョイントの周りに、大きなオイルシールを被せてハブのシールとしているが、あれも球面状のジョイントに付着した汚れは完全に落とされず、ハブの中に入ってしまう。
長い事OHしなかったりすると、中のグリスはドロドロになるし、酷いとキングピンのベアリングが錆びてガタが出てしまう事もある。
シールといえば、ブレーキのキャリパーなんかもダストシールって完全なものでない。
長年使ってると微妙に侵入した水や塵で、シリンダーは汚れてくる。
ゴムの張力で押さえてるだけなので仕方がない。
だからパッド交換の時はキャリパーもOHすべきだ。
完璧なものでないけど、コストとの兼ね合いでとりあえず使えてる物って意外と多い。
本質を見極めて適切なメンテナンスをしていけばいいのだと思う。
使いっぱなしでいい物なんてない・・・
フロントにかぎらないが、この手の構造はほとんどの場合、内側のオイルシール側のグリスが汚れている。
おそらくシールから入った塵によってグリスが汚れるのだと思う。
トラックにかぎらず、この手の構造のハブは、クルマの大小に関わらずこの傾向がある。
オイルシールの類が完全に塵や水の侵入を防ぐものでないのだろう。
こういった物の中で、ショックアブソバーはもっとも厳しい使われ方なのかもしれない。
外部に露出したロッドが、シールを介してシリンダー内に出入りする。
ロッドの表面に付着した細かい汚れは、さすがにシールでは完全に落とすことはできない。
ダンパーオイルの劣化の最大の原因は、侵入した汚れによるものとだと思う。
これはバイクのフロントフォークをOHしていてよく思った。
昔の4駆や今でもジムニーに使われてるフロントハブの構造も、よくよく考えると凄い作りだ。
球面状のジョイントの周りに、大きなオイルシールを被せてハブのシールとしているが、あれも球面状のジョイントに付着した汚れは完全に落とされず、ハブの中に入ってしまう。
長い事OHしなかったりすると、中のグリスはドロドロになるし、酷いとキングピンのベアリングが錆びてガタが出てしまう事もある。
シールといえば、ブレーキのキャリパーなんかもダストシールって完全なものでない。
長年使ってると微妙に侵入した水や塵で、シリンダーは汚れてくる。
ゴムの張力で押さえてるだけなので仕方がない。
だからパッド交換の時はキャリパーもOHすべきだ。
完璧なものでないけど、コストとの兼ね合いでとりあえず使えてる物って意外と多い。
本質を見極めて適切なメンテナンスをしていけばいいのだと思う。
使いっぱなしでいい物なんてない・・・
2012年10月9日火曜日
カフェオレ出てきた・・・
いすゞフォワードの8t車。
前回の車検時にM/Tオイルは交換して、それから1万kmも走ってないのだが、フューラボルトを抜いて見ると、ドボドボとオイルがあふれてきた。
出てきたオイルは何やらやけに白っぽい。
交換する予定はなかったが、仕方なくドレインから抜いてみたら、見事なカフェオレ状態になっていた・・・
どこからか水が入って乳化してしまったらしい。
ユニックが架装してあり 、ちょうどその下にトランスミッションのブリーダーバルブがあった。
おそらく大雨が降ると、ユニックをつたってブリーダーの真上から落ちてくるらしい。
ミッション内が熱いうちに雨水がかかると、内部の空気が冷やされて負圧になり、ブリーダーから水を吸ってしまうのだろう。
どうしたものかと考えたが、あまりいい案がなかったので、マジックリンの空き容器を半分に切って、ブリーダーの上に被せて雨よけにしてみた。
ちょっとかっこ悪いけど、水が入るよりはましだろう・・・
前回の車検時にM/Tオイルは交換して、それから1万kmも走ってないのだが、フューラボルトを抜いて見ると、ドボドボとオイルがあふれてきた。
出てきたオイルは何やらやけに白っぽい。
交換する予定はなかったが、仕方なくドレインから抜いてみたら、見事なカフェオレ状態になっていた・・・
どこからか水が入って乳化してしまったらしい。
ユニックが架装してあり 、ちょうどその下にトランスミッションのブリーダーバルブがあった。
おそらく大雨が降ると、ユニックをつたってブリーダーの真上から落ちてくるらしい。
ミッション内が熱いうちに雨水がかかると、内部の空気が冷やされて負圧になり、ブリーダーから水を吸ってしまうのだろう。
どうしたものかと考えたが、あまりいい案がなかったので、マジックリンの空き容器を半分に切って、ブリーダーの上に被せて雨よけにしてみた。
ちょっとかっこ悪いけど、水が入るよりはましだろう・・・
2012年6月23日土曜日
寝耳に水?
もう20年近くうちで車検をやらしてもらってる。
今回車検で陸事に検査に持ち込んだところ、この車両はもとがAT車でMTに変えてあると指摘された。
検査官がコーションプレートを見て、トランスミッションの欄が「A44DE」とあったので発覚した。(MT車なら「T50」である)
車検書の類別区分を確認しても、やはりAT車であるはずだとの事だった。このままでは車検を合格させられないので、改造申請をする様にとの事。
今まで問題無く車検を通していたのに、まったく寝耳に水な話だ・・・
持ち主のお客さんもまったく知らなかった様で、中古で売られていた時にミッション載せ変えてあったらしい。
陸事で改造申請に必要な書類の説明を聞くと、面倒であるがさほど難しくはない様だ。
当時のカタログやサービスマニュアルがあれば、比較的容易に書類を作れそうだったが、当然そんなものはもってない。ディーラーに聞いても残ってはいない様だ・・・
色々ネットをぐぐってみたら、なんとなくそれっぽい資料があちこちに転がってた。これらをコピーしてそれらしく書類をでっち上げて申請してみる事にした。
「あれが足りない、これが足りない」などと、何度か陸事とやり取りしてなんとか改造申請を通す事ができた。
結局車検で預かってから、なんだかんだで2週間近くかかってしまった。まったく割に合わない仕事だったな・・・w
この86、ガワは大分くたびれてるがなかなか調子はいい。ほぼノーマルなので乗り心地も悪くない。
あの当時で2世代ぐらい前のカローラの車体をベースにしてたのではないだろうか。まるで寄せ集めた部品で作ったみたいで、今見るとなんて事のない作りのクルマだ。
しかし乗ってみるとなかなか楽しい。こんなもんでも十分なんだw
2012年2月22日水曜日
丸ごと交換・・・
下廻りを見るとデフサイドシールからフルードが滲んでいる。
車検が終わってから5年10万kmの特別保証が効くかもしれないので、ディーラーさんに聞いてみた。
メーカーによってはオイルシールやパッキン類は一般保証扱いで3年6万kmとなってしまうが、聞いてみたところ「その部分ならトランスミッションなので、特別保証扱いになります」との事。とりあえず現物を見て判断するとなった。
ディーラーさんに持ち込んで見てもらったところ、「トランスミッションごと交換します」と言われて、一瞬唖然としたw
オイルシールの他にミッション継目から漏れてる可能性がある事と、5年の保証が切れるので念のため丸ごと交換しましょうとなったらしい。ミッション継目はシールからの漏れたのがかかっていただけで、実際は漏れはない様だ。
しかし即答で丸ごと交換とは畏れ入る。裁量もたいしたものだが、そんな作業をできる余裕があるってのに驚いた。普通のディーラーさんだとぎりぎりのなかで作業してる所が多いので、あまり重整備はやりたがらないものだ。このディーラーさんの工場は比較的規模が大きく、保証修理は単価が割安とはいえ、トランスミッション交換となれば利益もそこそこ大きいのでやる気になるのだろう。
保証修理はメーカーによって対応が結構違うのと、担当するディーラーさんによっても違いがあったりする。最終的にディーラーさんの判断による事が多いが、結局はそのサービスマンの裁量次第だったりする。
機械なので不良の発生はある程度仕方のない事なので、ちゃんと対応してくれれば問題はない。
実はこのクルマは前回点検時にパワステポンプとベルトテンショナーに漏れがあって、保証修理で交換していた。言ってしまえばハズレなクルマだったが、その都度ちゃんと対応してくれたので、結果的にはよかったのかもしれない。
2011年10月26日水曜日
異音はやなもんだ
左前ハブ辺りから音が出る。持ち上げて車輪を回してもゴロゴロ感はない。
FF車の場合、ハブベアリングかドライブシャフトなのか迷う時があるが、この車はコーナーで加重の掛かり具合で音の出方が変わるので、ハブベアリングの不良と判断した。
ドライブシャフト不良の場合は、トルクの掛かり具合で音の出方が変わり、ハンドルを切った時に音が出やすい。
どうやら水が入って外側のベアリングが駄目になった様だ。オイルシールの不良か、もしくはロックナットから水が染込んだのだろうか。
ベアリング打ち抜き&圧入の冶具はとくに持ってないが、ソケットレンチを利用したり、以前抜いたベアリングのレース を取って置いたやつを使ってる。
専用の冶具でなくとも、これで事足りる。
抜いた後はハブキャリアを水と洗剤でよく洗い、きれいにしてからベアリングとオイルシールを圧入する。
段取りを良く考えてやらないと、面倒な事になるから要注意。
ベアリング交換して音は出なくなった。音が出てると運転してて気分が悪くてしょうがない。なくなると気持ちいいもんだw
2011年9月15日木曜日
やらない方がいい?
この手の修理はプロペラシャフトを外して、コンパニオンフランジを抜き取り、オイルシールを外して交換する事が多い。
このエブリィもその様に修理したのだが、一年ほどしたら、デフから音が出る様になってしまった。どうやらドライブピニオンのベアリングが駄目になった様だ。
デフをオーバーホールには専用工具が必要になり、作業も大変なので、中古のデフを調達して交換した。
ドライブピニオンのベアリングのプレロードは、コンパニオンフランジを止めるナットにより、図の5のスペーサーが塑性変形する事で調整されていたのだ。
故障の原因はつまりプレロードが狂ってしまったからだった。
スペーサーを塑性変形させて調整するので、基本的にはコンパニオンフランジを取外した時は、スペーサーを新品に交換してプレロード調整をしなければいけない。しかし、スペーサーはデフ内部に組まれているので、交換にはデフ本体をばらす必要がある。
メーカーに確認したところ、やはりオイルシール交換にあたっては、内部のスペーサーを交換してプレロード調整してやるべきだとの回答を得た。
ディーラーさんに聞くと、この構造は知らなかった様で、車載で分解せずに行っているとの事だった。運がよければ問題なかったのだろうが、多分なかには後で壊れたりしたのではないだろうか。
しかしダダ漏れになっていたらオイルシールを交換しないわけにはいかない。
さすがにデフを分解してやっていたら、修理代はとんでもなくなってしまう。
やるとしたらこうするのがいいか・・・
① 分解する前にコンパニオンフランジのナットの締付位置をマークして慎重に緩める。
② 緩めたら一度静に締め付けていって、ナットが座面に当たる位置を見る。この位置と締め付けてあった位置の角度を記録しておく。
③ オイルシールを交換して、コンパニオンフランジを取り付けてナットを座面に当たるまで静に締め付ける。(ナットはつぶしてロックするタイプなので交換する必要がある)
④ ②で記録した角度まで締め付ける。これでもとの締付状態に戻ったはずだが、一度変形したスペーサーをまた変形させる事になるので、プレロードが若干足りなくなる可能性がある。そこでほんのちょっとさらに締め込んでやる。
⑤ これでナットの頭をつぶし回り止めして終了。
プレロードはある範囲内に入っていればいいので、もともとがプレロード過剰気味になっていないかぎり大丈夫だろう。
この辺りの構造はスズキ以外ではどうなっているのだろうか?と思い調べてみた。
ちょっと古いがトヨタのSR40系のライトエースを見たら、やはり同じ様にスペーサーを塑性変形させて調整している。軽や小型にはこの構造が多い様だ。
トヨタ場合は、コンパニオンフランジを取外した側からベアリングが外せる様になっていて、外からスペーサーを交換できる様になっている。
マニュアルにもオイルシール交換時はプーラーでベアリングを外して、スペーサーを交換してプレロード調整をしろと書かれている。
しかしプーラーは特殊な形状のものが必要だし、外したベアリングを打ち込むのもかなり大変な作業だ。それに左右輪のドライブシャフトがついた状態でプレロード調整がはたしてできるだろうか?
結局余程漏れていないかぎり、この部分のオイルシールの交換はやるべきでないのかもしれないな・・・
2011年6月18日土曜日
手間は惜しまず
パワステポンプからフルードが漏れている。
下のドライブシャフトに垂れて、周りに飛び散ってる。
ポンプはリビルト品でも2万円弱する。
ポンプの脱着の標準工数を見たら2.5hもある。ドライブシャフトを脱着する必要がある。
えらい金額になるので、ポンプのシールキットを使ってOHする事にした。
外側をよく洗ってからOHにとっかっかる。
分解時はベーンがバラバラにならない様に要注意。
漏れの原因はボディーパッキンのでかいOリングが劣化していたからの様だ。
シールキットは2000円ちょっと。
手間はかかるが総合的に安く修理できて、お客さんには喜ばれる。
時間勝負のやり方じゃできない事かもしれんな・・・
2011年3月4日金曜日
酷い話だな・・・
うちにははじめてのお客さんで、3速に変速しないので見てほしいとの事。
3速ATなのだが、確かにその辺を走っただけでは3速に入らないが、60km/h以上になると3速に入る。変速のタイミングがずれてしまっている様だ。
リバースは問題無く入るので、ダイレクトクラッチの問題ではなさそうだ。油圧制御のATなので、先ず疑うのはバルブボディーの詰まりだろうか。ATオイルパンを引っぺがして見るべきか?と思ったが、この時代のダイハツ車はサブフレームがあって簡単には取れない。
お客さんには修理には「ちょっと費用がかかるかもしれないですよ~」、と伝えて、とりあえず何が原因なのか、預かって見る事にした。
その時お客さんがちょっと気になる事を言った。数日前に某大手カー用品店で12ヶ月点検をして、ヘッドカバーパッキンの交換を行ったらしい。
カー用品店でヘッドカバーガスケットの交換???・・・もしやと思ってみてみたら、案の定AT側につながるスロットルワイヤーが外れていたw
これを直したら正常に変速する様になった。
おそらくヘッドカバーを脱着した時に、スロットルワイヤーは取外す必要があるので、組み付ける時にミスしたのだろう。
しかしこんな事は作業後にテスト走行すれば分る筈である。おそらくカー用品店では作業後のテストをろくにしていないのだろう。
お客さんは安く修理が上がって喜んでいた。
はじめお客さんは、カー用品店にもって行ったそうだが、作業内容と関係ない故障という事で取り合ってもらえなかったそうだ。ろくに見もしなかったとの事だから、酷い話である。
基本的に修理が出来ない様な所は、整備なんて出来るわけがない。
整備なんて名ばかりで、ただ眺めて終わっているだけなのかもしれない。
2010年6月22日火曜日
バラしてみるもんだな・・・
エンジンが冷えてる時は問題ないが、温まってからリバースにするとクリープが無く、アクセルを踏み込むと突然つながって急にバックする。
普通に走行中も2速から3速に変速しないときもある。
なんだろな~と思いつつ、とりあえずATのオイルパンを引っ剥がして見る。
走行距離の割にATFが汚れていたが、繊維状のくずやスラッジはほとんどなかった。クラッチやブレーキなどの摩擦部分の摩耗はあまり無い様だ・・・
バルブボディーユニットをばらしてみたが、詰まりやバルブの固着などは無かった・・・
蟻の巣の中にはBB弾みたいな鋼球が、あちこちに入ってるから要注意だ。
部品商に聞くと2つ一緒でしか部品が出ないとの事で、結構高価なのでどうしようか考えた。
懇意にしてる解体屋さんに聞いたら、「アルトの3速ならあるよ」って言うので、引っぺがしに行って来た。
残念ながら年式が若干違ったため、そのまま使う事ができなかったが、やっぱり動作が明らかにおかしい事が分かったので、仕方がないから発注する事にした。
組上げてこれで直ったかと思ったが、テストしていると、やはりクリープが出ない時がある・・・orz
どうやらAT本体に問題があるらしい。こりゃリビルト換える様か?と思いつつ、あきらめてATを下ろす。
ATの整備マニュアルを眺めていると、リバースと3速に関係するのはダイレクトクラッチ部だってのが判った。ダイレクトクラッチを締結するための油圧が、どこかでリークしていると思われる。
このままリビルトATを発注するのも悔しいから、ATの中を開けてみる事にした。
オイルポンプユニットを外すとダイレクトクラッチが顔を出す。
ダイレクトクラッチのピストン動作は問題なし。クラッチ板のクリアランスも規定値だった。
この部分が原因だ!ATFが妙に汚れてたのも、この部分の摩耗粉が混ざったからか。
この部分はオイルポンプユニットAssyでないと部品が出ない。仕方なくAssyで発注したら部番がなくなってるとの事だった。この年式でもう部品がないのかw
部品商がメーカーに問い合わせたら、部番が変わってポンプAssyとダイレクトクラッチAssyとのセットになってるって・・・
対策品にでもなってんじゃねぇのかw
右が新しいオイルポンプAssy。シャフトの部分がアルミから鋳鉄に変更されてた。
新部品を組んで早く終わりにしたい所だが、スラストのクリアランスを算出して、必要な調整ワッシャーをまた発注しなければならない。しかしそんな部品も滅多に出ないのだろう。在庫が無いからメーカー発注になって、またさらに時間がかかる・・・orz
結局やっとの思い?で組上げて、見事に完治した。
手間と時間を考えたら、最初からリビルトに換えてしまった方がいいのかも知れない。
しかしリビルト品を使うよりか安く上げる事ができて、時間はかかったが、お客さんに喜んでもらえたからよかった。
もっともリビルト品がこの部分が変わってなけりゃ、また故障してたかも知れんw
国交省の自動車不具合情報検索で見ると、今回のトラブルは結構出てるみたいだ。
バック時に急発進して、事故が結構起きてんじゃないのかな。
不具合があったら、そのままにしないで直さないと危ないよw
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