2010年6月22日火曜日

バラしてみるもんだな・・・

平成12年のMC21SワゴンRの3速AT車。走行距離は2万5千km。
エンジンが冷えてる時は問題ないが、温まってからリバースにするとクリープが無く、アクセルを踏み込むと突然つながって急にバックする。
普通に走行中も2速から3速に変速しないときもある。
なんだろな~と思いつつ、とりあえずATのオイルパンを引っ剥がして見る。
走行距離の割にATFが汚れていたが、繊維状のくずやスラッジはほとんどなかった。クラッチやブレーキなどの摩擦部分の摩耗はあまり無い様だ・・・
 
 
 
 
 
バルブボディーユニットをばらしてみたが、詰まりやバルブの固着などは無かった・・・
蟻の巣の中にはBB弾みたいな鋼球が、あちこちに入ってるから要注意だ。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
よくよく調べると、2つあるソレノイドバルブのうち1つが密着がおかしい。こういう動作なのか・・・?
部品商に聞くと2つ一緒でしか部品が出ないとの事で、結構高価なのでどうしようか考えた。
懇意にしてる解体屋さんに聞いたら、「アルトの3速ならあるよ」って言うので、引っぺがしに行って来た。
残念ながら年式が若干違ったため、そのまま使う事ができなかったが、やっぱり動作が明らかにおかしい事が分かったので、仕方がないから発注する事にした。
 
組上げてこれで直ったかと思ったが、テストしていると、やはりクリープが出ない時がある・・・orz
どうやらAT本体に問題があるらしい。こりゃリビルト換える様か?と思いつつ、あきらめてATを下ろす。
 
 
 
 
 
ATの整備マニュアルを眺めていると、リバースと3速に関係するのはダイレクトクラッチ部だってのが判った。ダイレクトクラッチを締結するための油圧が、どこかでリークしていると思われる。
このままリビルトATを発注するのも悔しいから、ATの中を開けてみる事にした。
オイルポンプユニットを外すとダイレクトクラッチが顔を出す。
ダイレクトクラッチのピストン動作は問題なし。クラッチ板のクリアランスも規定値だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
ダイレクトクラッチに油圧を送る、オイルポンプユニットの後ろ側にあるシャフト。この部分に2本のシールリングが嵌っているが、その溝が2本とも摩耗してガバガバになってた・・・
この部分が原因だ!ATFが妙に汚れてたのも、この部分の摩耗粉が混ざったからか。
 
この部分はオイルポンプユニットAssyでないと部品が出ない。仕方なくAssyで発注したら部番がなくなってるとの事だった。この年式でもう部品がないのかw
部品商がメーカーに問い合わせたら、部番が変わってポンプAssyとダイレクトクラッチAssyとのセットになってるって・・・
対策品にでもなってんじゃねぇのかw
 
 
 
 
 
物が来て見たら、やっぱ変わってたw
右が新しいオイルポンプAssy。シャフトの部分がアルミから鋳鉄に変更されてた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ダイレクトクラッチもシャフトにつながる部分が、形状が変更されている。これではセットで変えないといけない訳だ・・・
新部品を組んで早く終わりにしたい所だが、スラストのクリアランスを算出して、必要な調整ワッシャーをまた発注しなければならない。しかしそんな部品も滅多に出ないのだろう。在庫が無いからメーカー発注になって、またさらに時間がかかる・・・orz
 
結局やっとの思い?で組上げて、見事に完治した。
手間と時間を考えたら、最初からリビルトに換えてしまった方がいいのかも知れない。
しかしリビルト品を使うよりか安く上げる事ができて、時間はかかったが、お客さんに喜んでもらえたからよかった。
もっともリビルト品がこの部分が変わってなけりゃ、また故障してたかも知れんw
  
国交省の自動車不具合情報検索で見ると、今回のトラブルは結構出てるみたいだ。
バック時に急発進して、事故が結構起きてんじゃないのかな。
不具合があったら、そのままにしないで直さないと危ないよw

2010年6月21日月曜日

チェックエンジンランプが点いたら・・・

ACR30WのエスティマとDA62Vのエブリィが、チェックエンジンランプが時々点灯するってんで、同じ時期に入庫した。
ダイアグを見たら両方ともO2センサーの不良と出た。
O2センサー自体が壊れたのではなく、内蔵してるセラミックヒーターが断線している。
 
O2センサーは冷えている時は反応が鈍いので、ヒーターはエンジン始動直後に通電して、O2センサーの反応をよくする働きがある。十分温まるとヒーターの通電は終わる。
 
10年ぐらい前からO2センサーはヒーター内蔵タイプに変わってきた。このタイプはヒーターが非常に断線しやすくて困った物だ。
平成12~15年式のクルマで、走行距離に関係なくこのトラブルは多い。
チェックランプが点いたって場合は、まずO2センサーを疑うくらいだw
 
国産車だと、O2センサーはデンソー製が圧倒的に多い。今までに壊れたO2センサーを見てると「234000-xxxx」って刻印のやつばかり。たぶん中身はほとんど同じ物なのだろう。
ちなみにデンソー製のヒーター端子は2本の黒線。正常ならば15Ω前後で、断線するとほとんど無限大になる。
 
このO2センサーは値段が2~3万円程度して非常に高価だ。あまりにもよく壊れるために、社外品なんてのもある。社外品だと2~3割程安いらしい。
 
ヒーターが断線していても、エンジンが暖まってしまえばまったく問題無く使えてしまう。始動時の排ガスがちょっと汚くなるのと、チェックランプが点きっぱなしになるだけだ。
しかしチェックランプが点いていると車検が通らなくなる。排ガス浄化装置に不備があるって事になるから。
また、O2センサー以外に不良があった時に、チェックランプが点きっぱなしでは分からなくなってしまう。
だから、高くてもO2センサーを交換するのが正解だ。

2010年6月19日土曜日

漏れてんじゃんか・・・

現行のL175系ムーヴのリアショック。見事に漏れてる・・・
現行のムーヴにモデルチェンジ直後に、うちでは十数台ほど販売した。
去年辺りから初回の車検になり、入庫してくる車両のほとんどが走行距離に関係なく、ショックに漏れが見られた。3年の保証期間中なので、みんなメーカークレームとして無償交換した。
2駆の車はなぜかほとんどが右側だけ漏れている。なんでだろ~?
そう言えばエッセにも滲んでるのを見た事があったな。カヤバ製なのだが、新しいのにこれほど多くに漏れが見られるのも珍しい。スズキもカヤバの使ってるけど、こんなのは見た事ない。

ダイハツはなぜか軽のショックに関しては一般保証部品扱いで、保証期間は3年または6万kmになってる。スズキは特別保証部品なのにね・・・
調べると現行ムーヴでのこのトラブルは多く発生している様だ。本来ならばサービスキャンペーンか保証延長をするべきではないのか?

今のクルマは品質がよくて故障も少ないと言われるが、やはり機械物であるので故障やトラブルはあるものだ。
新車から3~5年の間には、「漏れ」のトラブルって結構見つかる。ショックのオイル漏れなんて結構多いが、その他にはヘッドカバーやオイルパンからのオイル漏れ、シャフトのオイルシールからの漏れ、ウォーターポンプから水漏れ、エアコン配管からガス漏れなんてのもあって、メーカークレームで無償修理する事がある。
信頼性工学のいわゆるバスタブ曲線ってのがあるが、まさにこの通りに不具合は起きる。

新車から年数経ってないから、点検する必要ないんじゃない?なんていう人がいるが、これは大きな間違いだ。機械である以上、点検整備は絶対必要である。保障期間内はちゃんと点検やらないと損だよw

2010年6月17日木曜日

スパークプラグ

エンジンの調子がたまに悪くなるってんで入ってきた。
見るとユーザー車検で、この数年ろくに整備していない様な状態だった。
とりあえずプラグをみたらこんなんだった・・・
エンジンオイルは交換してても、プラグを交換しない人って結構いるね。最近は白金やイリジウムを使ってる車が多くなってるけど、意外とノーマルタイプも残ってる。
ノーマルタイプなら3万kmがいいとこか。頑張って4万kmも使うと丸くなっちゃうね。
あまり消耗してギャップが大きくなると、スパークするための要求電圧が大きくなるので、途中の回路が絶縁破壊する事がまれにある。
前に見た事があるのは、サンバーでプラグを長い事交換しなかったために、イグニッションコイルがリークして壊れたのがあった。高々一本数百円のプラグをケチったために、高い出費になっていた。
プラグは白金やイリジウムを使った中心電極の尖ったやつがお勧め。火花が強いので燃費がよくなるし、磨耗しにくいので長い事調子が変わらない。
接地電極も白金やイリジウムのチップが埋め込まれている物は、10万km以上使ってもまだ使えるほど長寿命だが、チップがないノーマルタイプと同じ接地電極の物は10万kmなんてとても持たない。せいぜい5~7万kmも使うと接地電極が磨耗してギャップが大きくなってしまう。軽自動車や安い小型車は結構このタイプを使ってるから、白金プラグ使用と書いてあっても点検は要注意だ。

2010年6月15日火曜日

仕事ネタのブログでも書くか・・・

趣味ネタのブログをやっていたが、仕事ネタのブログも書いてみる事にする。
うちはその辺の町の、なんでもない自動車屋だ。たいした事はなんにもないが、何か面白い事が書けたらと思う。
 
画はおいらの車。新車で買って今年で18年になるメキシコ製のカブトムシ。エアコンなんか付いてないぜw