平成15年のHM2のバモス。走行距離は約14万㎞。
加速時にエンジン回転が3000~4000rpm辺りで息継ぎする。
ネットで見るとウエストゲートバルブが固着すると似た様な症状になるらしい。
確認してみると、ちょっと動きが硬い気がするが、手で強く押すとちゃんと動く様だ。
試しにダイアフラムの配管を外してみるが、症状は出ている。
それでもターボの辺りが気になるので、インタークーラーの配管を外してNA仕様?にしてみるが、これでも症状が出る・・・って事はターボは関係ないなw
どうも症状は失火している感じなので、イグニッションを疑ってみる。
プラグは問題なかったので、コイルをたまたま持ってたエブリィ用の中古を付けてみた。ハイテンションコードと適当なコネクターを使って無理くり配線すると使える。イグニッションのピン配置は同じだったw
しかしこれでも症状が出る。
何だろか???・・・と散々悩んだ挙句、しょうがないのでECUの入出力の信号をアナログオシロスコープで観察してみた。停車時でもアクセル吹かすと症状がたまに出るので見る事ができた。
見ていくと、どうもクランク角センサーが怪しい。症状が出る時はノイズが乗る感じで、信号が歯抜けする。
20MHzのアナログなのでしかとは分からない。ストレージオシロが欲しいところだw
とりあえずクランク角センサーを外してみようとしたら、根元からもげて取れた・・・
HM2のバモスは4駆でエンジンが縦置きになっている。クランク角センサーはエンジンマウントのステーに刺さる様に付いている。
鋳鉄のステーは錆が酷く、クランク角センサーは外筒にひび割れができていた様だ。
内部は若干の腐食が見られる。
クランク角センサーを交換したら症状はなくなった。
通常クランク角センサーの不具合って、エンジン始動できなかったり、温まると途中でエンストするといった事が多いが、今回の様な壊れ方は珍しい。
多分チップ部品のコンデンサーが割れてるかして、ある回転数の時にノイズを拾っていたんじゃなかろうか。
そういえばホンダのダイアグの項目には「クランク角センサーノイズ」って項目があるのを思い出した。
このバモスにはないが、初代のフィットなんかでよく出てくる。
ホンダがどういった制御をしているか分からないが、クランク角センサーには場合によってノイズが乗って不具合が出やすいって事なんじゃなかろうか。
最近のクランク角センサーはクランク角だけでなく角速度も測定するから回路も複雑なんだろうな。
この修理のあとに、同じお客さんが持っていたHH5のアクティバン(平成15年11万㎞)もクランク角センサーを交換した。
こっちは加速時6000rpm付近で息継ぎしてた。大分前から症状があったが、散々調べても分からなかったのと高回転域での症状だったので、通常の使い方では問題なかろうとそのまま使ってもらってた。
結局これも同じ状態だったみたいだ。ただしこちらはエンジン横置きで、クランク角センサーはタイミングベルトカバーに突き刺さってる構造になってる。クランク角センサーの外観は全く問題なく、分解して中を確認してみたが、とくに目視では問題は見られなかった。
アクティバモス系ではクランク角センサー不具合による、加速時息継ぎのトラブルは結構多いのかもしれないな・・・