2013年1月11日金曜日

大掃除?

去年の年末の事だった。
平成12年DA52Vエブリィ、F6Aエンジン。走行距離は約9万km。
前々よりオイル消費が多く、ここに来て白煙が酷くなったので、車検のついでで直す事になった。
エンジン載せ変えの方が手っ取り早いが、圧縮は各気筒12.7~12.9kgf/cm^2ある。乗ってみると力もあるし、ピストンのスラップ音やメタルの打音もない。これならオーバーホールの見込みもある。
やらなければいけないのは。バルブステムシールの交換と、ピストンリングの清掃。
F6Aはタイミングベルトなので、車載状態でエンジンをオーバーホールしようと思えばできるが、エンジンを下ろすのもさほど手間でないので、引っぺがしてやる事にした。
結局その方が作業性もいいし、確実な作業ができていい。
ツインカムのK6Aと違って、この時代のはロッカーアームを使った4バルブのシングルカムエンジンだ。インレットのアームはやけに長く、アルミでできている。
思ったよりスラッジは溜まっていなく、それほどオイル管理が悪かった分けではなさそう
だ。









燃焼室はそれ相応にカーボンの付着がある。















オイル下がりで大分ポート内はベトベトになっている。
バルブシートは使えるか?














やや側圧方向の当たりがきつい所があるが、極端にはシリンダーの摩耗もない。
以前ラジエターのアッパータンクが割れてオーバーヒートした事があったので、シリンダーとヘッドの合わせ面が心配だったが、鋳鉄シリンダーのF型なのでその心配はなかった様だ。
サイアミューズシリンダーでオープンデッキのK型アルミシリンダーだったら、歪んでいたかもしれない。F型の方が圧倒的に丈夫にできてる。







オイルパンが何故か一度剥ぐった跡があった。
前の持ち主が分らないので、以前の整備記録がまったくない。一体何やったんだろか・・・?













ピストンリングはすっかり固着してしまってる。
オイルリングはこれでは機能しない。
ちょっとやちょっと洗浄剤に漬けたくらいじゃ落ちやしない。
フラッシングってあるけども、あんなのやったってカーボンなんて落ちやしないw










サンエスの水溶性のアルカリ洗剤でカーボンを落す。
この作業が一番手間がかかる・・・













バルブは洗浄剤だけではカーボンが焼き付いていて落ちないので、ボール盤にくわえて研磨布で落す。













バルブシートは刷り合せでいけた。
ポートの段付きが気になったので、ついでだからリューターで削っておいた。













ピストンを組む時に問題発生。
ピストンリングは交換する事にしたのだが、届いたリングを組む前に念のため合口隙間とリング溝の隙間を測った見た。
そしたらリング溝の隙間が規定値よりも微妙に大きかった・・・
何で???と思って外したリングの厚みを測ったら、届いたやつより厚かった。
部品屋さんに確認してもらったら、保守用ピストンがあって、そっちのリングが合うのかも知れないとの事だった。
そのリングセットを出してもらって組んでみたらぴったり合った。
どうやら過去に何らかの理由でピストンを交換していたらしい。どうりでオイルパンを付け直した跡があった訳だ。
しかし組む前に計測しておいてよかった。そのまま組んでいたらえらい事になるとこだった・・・

必要なオイルシールやパッキン類を交換してやっとこ組上げる。
組んでしまえば見えなくなってしまうが、エンジン内の汚れがなくなると気持ちいもんだw












組み上がって車体と合体。
エンジンかけたらアイドリングが安定しない・・・
イグニッションコイルが死んでる様だ。
もう年末で部品が間に合わないし、オーバーホールでえらく金かかってるので 、手持ちのジャンク品(解体車から取って置いた物)をサービスで付ける事にした。

手間かかったけど見違える様に調子はよくなった。
夏にK6Aのオーバーホールやってたから、この年は同じ様な仕事が二回あった。面倒だけど、たまにはこういう仕事をやるのもいいかw










4 件のコメント:

  1. 当方52キャリイを所有するものです。白煙で困っていましてネット検索をしていたところ当ブログを発見しまして書き込みさせていただくことにしました。
    信号待ちからの発進、長いアイドリングの後の発進時に白煙が出ます。高回転や一定速時には白煙はミラー越しでは確認できないようです。このような症状をお世話になっている整備工場にお話したところ中古エンジンの積み替えを勧められました。しかしそもそも古いF6Aのまともなエンジンが見つかるかもわからず今のエンジンを生かしたほうがいいのではと考えます。
    こんな場合どう対処すべきなのでしょうか?

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  2. どうもです~
    長いアイドリングの後に白煙出る症状だと、おそらくバルブシールが劣化してオイルを吸っているのだと思います。
    アイドリング時はスロットルバルブの開度が小さく、マニホールドの負圧が強いのでインレットバルブからオイルを吸いやすくなります。
    今までの整備状況やオイル管理にもよりますが、エンジン自体がしっかりしているならオーバーホールも手だと思います。
    F6エンジンならばタイミングベルトなので、ヘッドを降ろすのもさほど手間はかからないと思います。
    簡単に対処するならF6だったらヘッドを降ろさずにカム周りを外すだけでもバルブシールの交換は可能かと思います。
    あとどのぐらい使うかによって、何処まで手を掛けるかだと思います。
    車検が切れるまでというのならば、そのまま途中でオイルを継ぎ足しながら使うのも手です。
    懇意にされてる整備工場さんとご検討されてみてください。

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  3. ご返信ありがとうございます。そうですね、ライフサイクルにもよりますよね。とりあえず気に入っておりまして出来るだけ永く乗り続けたいと考えております。もしも話が難航しましたら直接ご相談に伺う事は可能でしょうか?
    また、ブログを拝見してまして非常に興味深いので伺ってみたいというのもありますm(__)m
    工場の屋号がブログからは確認出来ませんでしたが埼玉県かと思いました。当方は千葉県なので、もしよろしければ屋号を教えていただけないでしょうか。不躾なコメントで恐縮ですがよろしくお願い致します。

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  4. 気に入ってまだこれからも使うのならばオーバーホールするのも手ですよね。
    実を言うとエンジンオーバーホールは手間が掛かって割の合わない仕事なので、あまりやりたくないのが本音ですw
    しかし頼っていただけるならば、できるだけの事はしたいと思います。

    このブロはグ宣伝でやっている訳ではないので、うちの名前や所在地はブログ上にはちょっと書くのは控えたいです。
    monozuki_nahito@yahoo.co.jp
    こちらまでメール下さい。
    宜しくどうぞ~

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