2011年6月18日土曜日

手間は惜しまず

SV41のカムリ。
パワステポンプからフルードが漏れている。
下のドライブシャフトに垂れて、周りに飛び散ってる。
ポンプはリビルト品でも2万円弱する。
ポンプの脱着の標準工数を見たら2.5hもある。ドライブシャフトを脱着する必要がある。
えらい金額になるので、ポンプのシールキットを使ってOHする事にした。









ドライブシャフトを引っこ抜いてポンプを摘出。
外側をよく洗ってからOHにとっかっかる。
















OHは面倒な作業ではあるがけっして難しくはない。
分解時はベーンがバラバラにならない様に要注意。















交換した部品。
漏れの原因はボディーパッキンのでかいOリングが劣化していたからの様だ。
シールキットは2000円ちょっと。
手間はかかるが総合的に安く修理できて、お客さんには喜ばれる。
時間勝負のやり方じゃできない事かもしれんな・・・

2011年5月16日月曜日

足が出た~

平成16年DA62Vのエブリー、67000km走行。
高速道路を走行中、突然エンジンが止まって走行不能になったという。
この年式の頃のK6Aエンジンはクランク角センサーがよく壊れるので、最初はこれがだめなんじゃないかと思った。運び込まれてすぐにエンジンをかけてみると、1発死んでるが何とか回っていた。
何だ?と思い下を見ると、エンジンオイルが噴出していた。持ち上げてみてびっくり!クランクケースに大穴が開いてるじゃないですかw
よくよく見るとクランクに付いてるはずの2番シリンダのコンロッドが見当たらないし、クランクケースは向こう側にも大穴が開いてる・・・レーサーのエンジンじゃあるまいし、なんで足が出るかな・・・w

この手の軽トラやバンは車体が完全に駄目になるまで使われるらしく、縦置きのK6Aエンジンの中古品は非常に品薄状態になってるらしい。10万km以上の中古でも10万円以上する有様で、リビルト品になると20万円以上もする。
懇意にしてる解体屋さん頼んだら、運良く仲間内から格安の値段で調達してくれた。
中古エンジンが手に入らなかったら、腰下の部品かき集めて直そうかとも思ったが、部品代だけで結構な額になるので諦めた。

エンジン載換えできたので、何がおきたのか分解してみる事にした。
このお客さんはエンジンオイル管理がいい加減で、2万kmぐらい平気でそのままで使っていた。以前から注意する様に言っていたのだが・・・
カーボンが堆積してオイルシールが痛み滲んできている。



オイルパンを外してみると、2番シリンダピストンがオイルリングの辺りから割れて、ピストン上部だけシリンダに残っていた。奇しくもこの前のライトエースと同じ様な壊れ方だ。 ただ違うのはコンロッド大端のクランクピンが異常な焼け方をしている。

オイルパンの底にはピストン下部が粉々になって残っていた・・・








ヘッドカバーをはずして見入ると、ヘドロ状にスラッジが溜まっている。7万kmも走ってないのに、こんなに溜まってるのは異常だw
スラッジは溜まっているが、カム山やジャーナルは意外と摩耗してない。いままでの経験上、オイルはとりあえず入っていれば極端に摩耗する事は無い。しかしオイル交換のサイクルが長くなればその分カーボンが堆積してくる。












燃焼室はそれほどカーボンは溜まっていない。
2番は排気バルブに当たった後がある。













あれだけオイル管理が悪くてもクランクのジャーナルも大きな摩耗はない。













正常なシリンダのピストンは、オイルリングはおろかコンプレッションリングまでも固着していた。
オイルリングの固着はオイル消費の原因になる。
シリンダにはクランクジャーナルから飛び散ったオイルが付着して潤滑を行っているが、付着したオイルはオイルリングで掻き落とされて、オイルリング溝の奥にある穴からピストン裏に落される。カーボンが堆積してこの穴が塞がれば、オイルは掻き落とせなくなりシリンダ内で燃焼して無くなる。






2番のクランクジャーナルだけが異常に焼けている。
おそらく落ちたカーボンがオイルギャラリを塞いで潤滑不良を起したのではないだろうか。
















2番シリンダにはピストンヘッドが残っていた。シリンダ側面 は相当強く当たったらしく、ライナーが裂けて冷却水がシリンダ内に漏れている。
クランクピンが焼きついて固着し、ピストンがシリンダ側面に無理に押された事によるのだろう。その衝撃でピストンはオイルリング溝の辺りから砕けて、コンロッドがケース内で暴れて飛び出した様だ。

しかしこのK6Aエンジンというのは華奢な作りだな。(ある意味攻めた作りで無駄がないともいえる)
シリンダはオープンデッキでライナーもサイアミューズでなく一本づつ独立している。ターボ車で下手に加給圧上げたらすぐ壊れそうだw


2番ピストンは凄まじい壊れ方だ・・・




















クランクケースには両側に大穴が・・・
ちょっとぶっ叩けば真っ二つになりそうだw













結局2番のコンロッドはこの僅かな破片以外はエンジン内には残ってなかった。
破片の色から見ても相当焼けていた感じだ。

しかし高速道路上にコンロッドを落っことしてくるとは・・・

2011年4月19日火曜日

二個で一個

最近のエンジンはプラグの上に直接イグニッションコイルが付いた、ダイレクトイグニッションが多くなってきたが、ちょっと前にはコイル一個で二気筒を点火する物があった。4気筒エンジンの場合、1-4と2-3がそれぞれ組みになってる。
この手のは回路上、一方のプラグは通常の様に中心電極から火花が飛ぶが、もう一方は逆に接地電極から中心電極に向かって火花が飛ぶ。
おまけに同時点火なのでプラグの消耗も早い。





左が接地側から火花が飛んでいた方で、右が中心電極から飛んでる方。
ちょっとわかりにくいが、左の方は接地側についてる貴金属チップが摩耗してクレーター状になっている。
右のは接地側の摩耗は無い代わりに、左のと比べると中心電極が少し短くなっている。
接地側にもチップが付いてるプラグならいいが、中心電極のみの安い白金やイリジウムプラグだと、接地電極がすぐ摩耗してしまうので要注意だ。
この手のは定期的にプラグを入れ替えてローテーションすると寿命が延びる。
白金やイリジウムプラグは通常点検項目を省略できるが、この手の点火システムの場合は必ず点検する必要がある。

2011年3月11日金曜日

熔接すっか・・・

平成10年のKK3ヴィヴィオ。 年数相応でマフラーエンドに穴があいている。
本当なら交換したいけど、2万6千円ぐらいするので、簡単には交換できない・・・
マフラーパテじゃすぐ剥れちゃうだろう。熔接でパッチを当てようかと思ったが、腐食が激しいのでだめだ・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マフラー内部は思ったほど腐食していないので、ボンデ板を丸めて被せる事にした。
本当なら0.7mmぐらいの厚さgはいいが、手元には1.0mmしかなかったのでこれで我慢した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
三本ローラーでボンデ板を丸める。
この三本ローラーはおいらの私物だ。バイクのマフラーなんか作るのに重宝してる。こんな物持ってる奴は物好きだよなw
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マフラーに被せて番線で締め付けて仮止めする。
うまい事くっ付きそうだw
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
TIGで熔接する。
所々腐食してて熔接しにくかった。ビードがいまいちだw
あとは耐熱塗料で塗装して出来上がり。

TIG熔接機もおいらの私物。普通の自動車屋でもTIGなんかあるうちはないだろう。その昔サラリーマンやってた頃に趣味で入手したが、今では結構役に立っている。他にガスに棒アークにCO2なんかも得意だ。熔接屋でも結構やってけるかもしれないw

2011年3月4日金曜日

酷い話だな・・・

L700Sミラ。走行距離は約8万km。
うちにははじめてのお客さんで、3速に変速しないので見てほしいとの事。

3速ATなのだが、確かにその辺を走っただけでは3速に入らないが、60km/h以上になると3速に入る。変速のタイミングがずれてしまっている様だ。
リバースは問題無く入るので、ダイレクトクラッチの問題ではなさそうだ。油圧制御のATなので、先ず疑うのはバルブボディーの詰まりだろうか。ATオイルパンを引っぺがして見るべきか?と思ったが、この時代のダイハツ車はサブフレームがあって簡単には取れない。

お客さんには修理には「ちょっと費用がかかるかもしれないですよ~」、と伝えて、とりあえず何が原因なのか、預かって見る事にした。
その時お客さんがちょっと気になる事を言った。数日前に某大手カー用品店で12ヶ月点検をして、ヘッドカバーパッキンの交換を行ったらしい。

カー用品店でヘッドカバーガスケットの交換???・・・もしやと思ってみてみたら、案の定AT側につながるスロットルワイヤーが外れていたw
これを直したら正常に変速する様になった。
おそらくヘッドカバーを脱着した時に、スロットルワイヤーは取外す必要があるので、組み付ける時にミスしたのだろう。
しかしこんな事は作業後にテスト走行すれば分る筈である。おそらくカー用品店では作業後のテストをろくにしていないのだろう。

お客さんは安く修理が上がって喜んでいた。
はじめお客さんは、カー用品店にもって行ったそうだが、作業内容と関係ない故障という事で取り合ってもらえなかったそうだ。ろくに見もしなかったとの事だから、酷い話である。

基本的に修理が出来ない様な所は、整備なんて出来るわけがない。
整備なんて名ばかりで、ただ眺めて終わっているだけなのかもしれない。

2011年2月25日金曜日

電気自動車に乗った

日産リーフの技術研修会があって、ちょっとだけ試乗した。
会場の敷地内を一回りしかできなかったが、なかなか面白かった。
 
アクセルべた踏みで加速させると、僅かにホイールスピンして強力に押し出される。車体は2ℓクラスで車重は1.5tちょっともあるが、加速感は3ℓクラスのクルマの様なトルクフルである。エンジンの回転が上がっていく音がない分、おとなしく感じてしまうが実に強力だ。さすがモーターといった感じか。
電源off時にはブレーキペダルがスカスカで床まで抜けてしまう。おそらく油圧の回路はペダルには直接接続されていないのだろう。急減速を試みてみたが、ペダルの感触はまさに普通のクルマ?と変わらなかった。この辺りの味付けもしっかりしていて、大したものだと関心した。
1.5tもありこのクラスとしては非常に重いが、急ハンドルを切っても意外と安定している。ハンドリングも意外と悪くない。重量物の電池が床下の低い位置にある事と、動力ユニットも低重心でコンパクトにまとまっているため、慣性モーメントが小さく収まっているのだろう。
 
走る曲がる止まるに関しては電気自動車独特の特性があるが、おおむね違和感はまったくなかった。
モーターは減速機を介してデフに直接つながっているそうだ。低回転から高回転まで変速機なしでカバーしている。ガソリンエンジンと比較するとモーターのトルク特性は、低回転からバカみたいな高トルクを発生する。減速器などの動力伝達部品や車体の剛性に余程気を付けないと、加減速で振動の問題が出る。モーター軸の回転検出をして、細かく制御することで解決しているそうだ。単純にエンジンをモーターに置き換えただけでは、製品として成り立たないのだろう。
 
走行可能距離や充電の問題はあるが、極普通の自動車?として問題はない。しかし肝心の運転に関する操作性には疑問がある。ごちゃごちゃと色々と表示されるメーターパネルは非常に見難い。シフトレバー(と言うより前後進切り替え?)とパーキングレバーはまさにスイッチと化していて、パネルの表示を見ながら操作しないと切り替わったか分らない。今までの常識を覆すという意味合いのデザインなのかもしれないが、あらゆる人間が直感的に操作できない様では、だめなデザインではないか。自動車は玩具ではない。公道を走る以上、安全な操作が出来ない様では困る。
 
ゼロエミッションと謳っているが電池には寿命がある。5年後でも80%の容量は維持できると言っているが、実際の使い方でかなり変わるらしい。ある関係者に聞いたが、あまりガンガン使う用途には勧められないと言っていた。
平成に入ってからのインジェクション車は、ちゃんと整備していれば20年使おうと思えば平気で使える。しかしプリウスなどを見ている限り、電池の寿命はせいぜい使えて10年が限度の様だ。ヘタすると数年でだめになるものもある。
電池のコストとリサイクル方法の問題が解決しなければ、現時点ではとてもエコとはいえない・・・

2011年2月9日水曜日

保証期間内に・・・

平成18年MH21SワゴンR。走行距離は約1万2千km。
車検で入庫したのだが、左のリアショックが完全に漏れていて、右も滲みはじめていた。
新古車として販売した車両だが、運良く保証が継承されていたので、5年の保証内だったので無償交換となった。(カヤバ製のショックだが、同じメーカーの物を使ってるのに、何故にダイハツは3年しか保証しないのだろうか・・・)
 
大抵この様な不具合が保証期間中に見つかった場合は、一度ディーラに持ち込んで確認してからでないと無償修理は受けられない。
だがスズキの場合は電話で伝えるだけで、部品を支給してくれて、工賃も後で支払ってくれるから手間がかからなくて助かる。
今回の場合も営業マンがその日のうちに部品を持ってきてくれた。非常にありがたい事である。
この様な対応は販売会社(ディーラー)の方針の違いによるものなのかもしれないが、こういう会社ならば、またそこの車を売りたくもなるものだ。
 
新車で販売して保証期間内に無償修理を行う事は、うちで見ているだけでも約半分ぐらいになる様だ。
その多くは「漏れ」によるもので、ヘッドカバーやオイルパンからのオイル漏れ、ショックの抜け、オイルシールからの漏れ、エアコン配管の漏れなどが圧倒的に多い。
クルマの品質がよくなったとはいえ、やはり人間が作っている「機械」であるので、この様な不具合は起きるものなのだろう。
だから新しいクルマだからといって、点検は疎かにはできない。保証期間内ならば尚更、どこかに不良箇所があるのではないかと思って見なければならない。