2017年6月3日土曜日

理想と現実・・・

洗浄剤に着けてカーボン落とす。
この作業が一番手間掛かるだな・・・


2番シリンダどうするか・・・
傷は沢山付いてるが、よく見るとクロスハッチは残ってる。
偏摩耗はしてないな・・・

今回もこれが登場。
また使うとは思わなかった・・・買ってよかったw
付属の砥石ではちっと粗いので、耐水ペーパーの600番を貼り付ける。














ホーニングした。
傷は残ってるが、とりあえずこれで行ってみよう。多少オイル消費があるかもしれないが、修理前よりはいいだろう。

理想から言ってしまえば駄目なのかもしれないが、現実としてはこんな状態でもちゃんと動く。
お金をいくら掛けてもいいというなら、もっといい方法もあるが、そうもいかない。
クルマの現状とこれからの使われ方を勘案しながら修理しなければいけない。この辺りの事はいつも悩みながら作業している・・・
クランクケースは今回はバラさない。
これの分解組立は結構手間かかるし、今回の作業では必要ないから。
その代りキャブクリーナーとパーツクリーナーを使って可能な限りカーボンを落としておいた。














2番のピストンは交換して、ピストンリングは3気筒とも新品にする。
コンロッドメタルは2番だけ換えるか?と思ったが、念のため3気筒とも交換する事にした。

しかし2番のピストンはよく回ってたもんだな・・・
1stのコンプレッションリングは溝が潰れて完全に固着している。
2ndも回らなくなっている。
圧縮がやや低かったのはリングが固着していたからかもしれない。

アルミのピストンって冶金学的にはかなり厳しい使われ方をしているそうだ。
アルミの融点は大体600℃ちょっとだが、作動中のピストンヘッド表面は400℃ちょっとまで上がる。
熔けるまでは200℃程はあるけれど、常温から比べればかなり柔らかくなっているだろう。過熱するのはヘッド表面だけとはいえ、そんな状態で使われてるってのが興味深い。
材料としての条件は厳しいが、とりあえず使えるからいいやという感じらしい。
全てが計算ずくで物は出来ている訳でもないんだな・・・

2 件のコメント:

  1. じゅんさん2017年6月4日 21:22

    アルミ製のピストンといえども他のモノを添加して高温強度を上げていると思いますが、これはちょっとキテますね。
    ターボエンジンで弄ったものは何機かブローしたのを見たことがありますが、素ノーマルのこの個体ではターボ交換等から過去何かあったのかもしれませんね。
    スズキと言えば550cc時代のF5Aの過給器付きで足出しを見ました。660ccになってから過給器付きは水冷オイルクーラーをオイルエレメントに挟んできました。F5Aのブロー対策なのかどうかは知りませんが。
    それにしても修理はバランスシートです。車のこれまでとこれからと対効果費用の見極めは難しいですね。

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  2. ターボ交換もおそらくプラグ摩耗による燃焼不良が根本原因だったと思います。
    軽のエンジンって限られた排気量とコストの中で馬力と燃費を絞り出していて、かなり厳しい条件で成り立っている様に感じます。
    ちょっとした整備の怠りが、重大な結果として現れてきます。
    整備も費用対効果を考えなければいけないのでなかなか難しいですが、そこがまた面白いところでもありますw

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