2010年7月3日土曜日

キャリパーオーバーホール

うちのお客さんの紹介で入ってきた、平成18年式のY31のセドッリックタクシー。走行距離は約18万km。
フロントブレーキが引きずっているらしく、ディーラーで修理に10万円程かかると言われたとの事。おそらくキャリパー、ディスク、パッドを全て新品に替えてしまうのだろう。
 
確かに引きずっているらしく、異常に加熱している。外してみたらキャリパーのダストブーツが破れていて、ピストンが固着していた。通常18万km走ったからって、簡単に破れる物ではない。左右とも同じ様になってたから、おそらく過去にパッドを交換した時に、組付けの際にパッドに当てて破いてしまったのだろう。
 
ディスクの摩耗状態は悪くないし、パッドの残量残量も十分なので、とりあえずキャリパーをオーバーホールしてみる事にした。
 
 
 
 
 
 
分解してみた。
ブーツが破れていたのでボロボロに錆びていないか心配だったが、思ったほど錆びてはいない様だ。
この程度ならまだいい方だw 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
錆びとスラッジを取り除いて、キャリパーとピストンを洗剤を使って水でよく洗う。シールを組付ける時にゴミや埃が入らない様にするために徹底的に清掃する。
錆びによるピンホールもなくきれいになった。まだ間に合ってよかったねw。

2ピストンであるのと、ダストブーツがピストンと一緒に組み込まれるタイプなのでちょっと手間だったが、OH後は引きずりもなくなり調子よくなった。お客さんには「10万円もかけなくて良かった~」と喜んでもらえたw。

今回のはブーツが破れていたのに、非常に運が良かったと思う。 
ブーツに異常がなくても長年オーバーホールしていないと、ピストンがボロボロに錆びてしまう物もある。
錆びが発生しなくてもグリスが変質したりゴミが進入して、スラッジができ固まってしまってる物もある。(大抵はこの状態)

スラッジができている状態でピストンを押し戻せばどうなるか。ピストンはシールのたわみで動いてるわけだが、このシールの動きが悪くなりピストンの戻りが悪くなる。最悪の場合シールに異物が噛んで、フルード漏れの原因にもなる。
 
うちではパッド交換の際は余程の事(予算の都合等)がない限り、キャリパーのオーバーホールもやっている。
大抵の整備工場は「漏れがない限りキャリパーのOHなんかやらないよ」って言ってる。確かに手間だからね・・・
でもこの手間をかけると、ブレーキのタッチがよくなるし、パッドの偏摩耗もなくなっていいんだけどね。

0 件のコメント:

コメントを投稿