2011年12月20日火曜日

へたってる・・・

平成13年、H81WのEKワゴン。走行距離は約7万km。
ベルトから音が出てる。15000km前に交換してるが、5年経ってるのでベルトの表面が硬化したのかと思ったが、張りを見ると随分ゆるくなってる。
この車種はオートーテンショナーを使っていて、テンショナーはスプリングで動作する簡単な構造の様だ。
ベルトとテンショナーを交換する事にした。新品と比べると、テンショナーが随分ヘタっているのがわかった。ベルトだけ交換しても、またすぐに音が出ただろう。
年数と距離からして、ある程度仕方がないのかもしれないが、オートテンショナーは部品としては比較的高価なものだ。(8千円ちょい)
ベルト調整がない分整備は楽だが、壊れると困ったものだ。しかし車種によっては、オートテンションのお陰でベルトの長寿命化にも貢献してるのでなんともいえんか・・・
オートテンショナーを使ってる場合はベルトは純正品を使った方がいい。社外品を使うと音が出たり、トラブルがおきやすい。

2011年12月9日金曜日

何故か値下げ?

平成13年のL700Sミラジーノ。走行距離は約34000km。
エンジンチェックランプが点くとの事で入庫。
この年式のダイハツ車やトヨタ車はDLCコネクターの4番と12番をショートさせると、エンジンチェックランプの点滅回数で不具合コードを読み取れる。
コード「23」が出力されたので、O2センサーのヒーターが断線している様だ。
触媒前側(EXマニホールド)についてるO2センサーのコネクターを外し、ヒーター端子(両方とも黒線)をテスターで測ると∞だった。

この車種のO2センサーは保証延長が出ていたが、それは7年または10mkmだったので保証は切れてる。
お客さんには部品代だけで2万円ちょいするから、修理代はちょっとかかるよと言っといた。








部品を注文したら、値段が5200円だった・・・
そういえばダイハツのよく壊れる部品(?)が値下がりしたと、去年あたりに噂で聞いたのを思い出した。
O2センサーとパワーウインドスイッチが大幅値下げされたらしい。
去年の5月に同じ車種のO2センサーが同様に壊れた時は、22800円もしてた。それがなんで5200円になるんだか・・・w

ついこの前、DA62VエブリィのO2センサーのヒーターが断線して交換した。この時は22100円だった。
スズキもダイハツもデンソー製のO2センサーで、特性もほぼ同じだ。
スズキ車の壊れたらダイハツから部品取って、コネクター付け替えれば安く済むな・・・と悪知恵が浮かんだ。もっとも自分とこで使う車ならやってもいいが、お客さんの車にはできないよなw



O2センサー交換して、ダイアグコードを消去する。
外部診断機があれば簡単だが、なくてもエンジンルーム内のヒューズボックス内の、「EFI」15Aヒューズを引き抜いて30秒ほど待てば消せる。

エンジンチェックランプが消えたのを確認して、その辺を一回りしてから再度ダイアグを確認して作業終了。
修理代安く済んでよかったねw

2011年11月14日月曜日

漬物かいな・・・

平成14年のAK12マーチ。走行距離は11万km。
前回車検時が8.5万kmで、その車検の直前に、お客さんが何処からか安く買ってきたらしい。今回車検で二年ぶりの来店だ。彗星の様なお客さんだなw

10万km超えたのでプラグを交換しておこうと思って、外してみたらビックリ。2番と4番のプラグホールがオイル漬じゃないですか・・・
しかしよくリークしなかったものだ。

この車はヘッドカバーの上にサージタンクとスロットルチャンバーとエアクリーナボックスが一体となった樹脂パーツで覆われている。プラグは白金使用となって10万km点検不要となっているので、今までにプラグの点検は行われていなかった。









ヘッドカバーを外してみたら、えらく汚ねえなぁ・・・

おそらく前の持ち主のオイル管理が悪かったのだろう。



















カバーの裏もかなり酷い。

エンジンオイルは使ってるうちに未燃焼ガス分が少しづつ溶けていくが、オイル交換を怠るとこの成分がシールのゴムを侵してオイル漏れの原因になる様だ。大抵ゴムの弾力がなくなり、シール性がなくなってしまう。


















テンショナーが摩耗したのかチェーン自体が伸びたのか、かなりカムチェーンがたるんでる 。

この系統のエンジンはカムチェーンが伸びやすいなんてよく聞く。

あまり伸びてクランク角センサーとカム角センサーの差が許容値を超えると、エンジンチェックランプが点灯するそうだ。



本来ならカーボンをできるだけ落としてやりたいところだが、ここまでくると限がない。下手に落すとカーボンが落ちてオイルギャラリーを詰まらす可能性もある。

残念だが見なかった事?にして、パッキン一式取り替えてカバーを閉じた・・・




このエンジンには白金プラグが付いているが、接地側はチップのないノーマルタイプと同じ電極になっている。10万kmも使うと接地電極が摩耗してギャップが大きくなりすぎる。

本来ならばもっと早く交換したいところだが、エアクリーナボックスが簡単に外せないこともあって、なかなか点検自体ができないのが困ったものだ。


一本あたり純正プラグより300円ほど高くなるが、接地側にもチップの付いてるイリジウムタフを付けた。

この方が燃費も長期的に変わることがないので、総合的にはお徳だ。


この系統のエンジンは電子スロットルなのだが、エアクリーナーボックスを脱着時コネクターを外すと、ダイアグに何故か不具合コードが記憶されてしまう事がある。

念のため不具合コードの消去と電子スロットルの学習(TAS学習)をやっといた。

日産のクルマはなんとなく整備性が悪くてあまりすきじゃないなぁ・・・w

2011年10月26日水曜日

異音はやなもんだ

平成9年の8万km走行のL600Sムーヴ。
左前ハブ辺りから音が出る。持ち上げて車輪を回してもゴロゴロ感はない。
FF車の場合、ハブベアリングかドライブシャフトなのか迷う時があるが、この車はコーナーで加重の掛かり具合で音の出方が変わるので、ハブベアリングの不良と判断した。
ドライブシャフト不良の場合は、トルクの掛かり具合で音の出方が変わり、ハンドルを切った時に音が出やすい。

どうやら水が入って外側のベアリングが駄目になった様だ。オイルシールの不良か、もしくはロックナットから水が染込んだのだろうか。



プレスを使ってベアリングを抜く。
ベアリング打ち抜き&圧入の冶具はとくに持ってないが、ソケットレンチを利用したり、以前抜いたベアリングのレース を取って置いたやつを使ってる。
専用の冶具でなくとも、これで事足りる。

抜いた後はハブキャリアを水と洗剤でよく洗い、きれいにしてからベアリングとオイルシールを圧入する。
段取りを良く考えてやらないと、面倒な事になるから要注意。

ベアリング交換して音は出なくなった。音が出てると運転してて気分が悪くてしょうがない。なくなると気持ちいいもんだw

2011年10月20日木曜日

スーパーXの実力如何に?

15年のMH21SワゴンR。走行距離は7万km。
ドライブシャフトのブーツに小さな穴があいて、僅かにグリス滲んでいた。
以前のゴム製のブーツは本当によく切れたが、ここ数年でこの部分は樹脂系のブーツになったので、まず切れる事はなくなった。
しかしこの車の様に樹脂系ブーツでも、穴があく事はまれにある様だ。実は数日前に入庫したほぼ同じワゴンRにも、同じ様な穴があいていた。

この部分を純正のブーツで交換しようとすると、ドライブシャフトを引き抜かなければならないので、結構大掛かりな作業になる。シャフトを抜くので、デフサイドシールとハブの内外のオイルシールは必ず交換が必要になる。デフサイドシールの交換は結構面倒で、微妙に斜めに入ってしまってオイル漏れの原因になったり、ハブシール交換も異物混入やシャフトがハブに固着してたりすると、外す時にベアリングを痛めるなど、色々とリスクがあったりするのであまりやりたい作業ではない。 (工数的には悪い仕事ではないけどw)







穴がごく小さく、現状でこれが大きくなる気配もない。それに症状としてはグリスが滲んでいる程度だ。
この程度でわざわざブーツを交換するのももったいないので、穴を接着剤で塞いでみる事にした。
そこで使ったのがセメダインの「スーパーX」だ。
以前パワーウインドの修理で使ったが、あれからまったく問題無く使えている。

接着力と硬化後に適度な弾力が必要なので、この部分に何とか使えそうだ。
表面を良く磨き、脱脂して塗布した。念のため一晩置いて固まるのを待つ。
その辺を試走してみたが、とりあえず問題ない様だ。
先日の穴のあいたワゴンR も同じ様に修理した。
1年後にどうなってるか楽しみだw

2011年10月6日木曜日

点滅しないぞ?

おいらのメキシコ製ビートルが車検だった。
新車で買って19年経ち、重量税が18年超過なので高いじゃんか・・・とはいえ、重量が1tないのでまだいいか・・・

ここ1ヶ月ほど乗ってなかったら、ウインカーが点滅せずに点きっぱなしになってしまった。
以前から時々あったのだが、だましだまし使ってた。しかしついに駄目らしい。
前に半田はやり直してあるので、半田不良ではない様だ。
中身はリレーとタイマーICとCとRでできてる。たぶんケミコンの容量が抜けてしまったのだろう。
昔電気(電子?)屋やってた頃の部品箱の中から、同等のケミコンを探してきて、取り替えたら復活した。液漏れは見られなかったが、20年も近くなったので容量抜けしてもおかしくはないか・・・

空冷ビートルは外車の割りにパーツが安く、そのうえ大抵のパーツが出てくるから助かる。(ボディーパーツも結構あるらしい)
変に電子化されてもないので、壊れても修理しやすくていい。
ちょっと整備にコツがいるが、上手くすれば一生乗ることができそうだw

2011年9月22日木曜日

オイルシールの交換

カムシールやクランクシールの交換ってよくある作業だ。
オイル管理が悪い車両は、よくここらからオイルが漏れている事がある。
タイミングベルト交換時などに必要ならばこの部分の交換をする。
オイルシールの抜き取りは、シャフトの間に金具を突っ込んで引っ張り出す。この専用工具は何種類かある様だ。
気の利いた工具には、シャフトの傷防止のためにテフロン製の薄いシートが付属されてたりするが、これはフニャフニャしててなかなか使いにくかったりする。
そこでおいらはアルミ缶を切って使っている。これならフニャフニャして入れにくい事もなく、破れてシャフトに傷付ける事もない。

なかなか具合がいいのがこの工具。
例によってストレートのドラゴンツール?。(別にストレートのファンというわけじゃないぞw )

2011年9月15日木曜日

やらない方がいい?

スズキDA62Vエブリィのデフシールからのオイル漏れ。

この手の修理はプロペラシャフトを外して、コンパニオンフランジを抜き取り、オイルシールを外して交換する事が多い。

このエブリィもその様に修理したのだが、一年ほどしたら、デフから音が出る様になってしまった。どうやらドライブピニオンのベアリングが駄目になった様だ。

デフをオーバーホールには専用工具が必要になり、作業も大変なので、中古のデフを調達して交換した。



何故ベアリングが駄目になったのか、その時はわからなかったが、ある日サービスマニュアルを眺めていたらその原因がわかった。

ドライブピニオンのベアリングのプレロードは、コンパニオンフランジを止めるナットにより、図の5のスペーサーが塑性変形する事で調整されていたのだ。

故障の原因はつまりプレロードが狂ってしまったからだった。

スペーサーを塑性変形させて調整するので、基本的にはコンパニオンフランジを取外した時は、スペーサーを新品に交換してプレロード調整をしなければいけない。しかし、スペーサーはデフ内部に組まれているので、交換にはデフ本体をばらす必要がある。

メーカーに確認したところ、やはりオイルシール交換にあたっては、内部のスペーサーを交換してプレロード調整してやるべきだとの回答を得た。

ディーラーさんに聞くと、この構造は知らなかった様で、車載で分解せずに行っているとの事だった。運がよければ問題なかったのだろうが、多分なかには後で壊れたりしたのではないだろうか。

しかしダダ漏れになっていたらオイルシールを交換しないわけにはいかない。
さすがにデフを分解してやっていたら、修理代はとんでもなくなってしまう。
やるとしたらこうするのがいいか・・・
① 分解する前にコンパニオンフランジのナットの締付位置をマークして慎重に緩める。
② 緩めたら一度静に締め付けていって、ナットが座面に当たる位置を見る。この位置と締め付けてあった位置の角度を記録しておく。
③ オイルシールを交換して、コンパニオンフランジを取り付けてナットを座面に当たるまで静に締め付ける。(ナットはつぶしてロックするタイプなので交換する必要がある)
④ ②で記録した角度まで締め付ける。これでもとの締付状態に戻ったはずだが、一度変形したスペーサーをまた変形させる事になるので、プレロードが若干足りなくなる可能性がある。そこでほんのちょっとさらに締め込んでやる。
⑤ これでナットの頭をつぶし回り止めして終了。
プレロードはある範囲内に入っていればいいので、もともとがプレロード過剰気味になっていないかぎり大丈夫だろう。

この辺りの構造はスズキ以外ではどうなっているのだろうか?と思い調べてみた。
ちょっと古いがトヨタのSR40系のライトエースを見たら、やはり同じ様にスペーサーを塑性変形させて調整している。軽や小型にはこの構造が多い様だ。
トヨタ場合は、コンパニオンフランジを取外した側からベアリングが外せる様になっていて、外からスペーサーを交換できる様になっている。
マニュアルにもオイルシール交換時はプーラーでベアリングを外して、スペーサーを交換してプレロード調整をしろと書かれている。
しかしプーラーは特殊な形状のものが必要だし、外したベアリングを打ち込むのもかなり大変な作業だ。それに左右輪のドライブシャフトがついた状態でプレロード調整がはたしてできるだろうか?


結局余程漏れていないかぎり、この部分のオイルシールの交換はやるべきでないのかもしれないな・・・

2011年9月8日木曜日

接触不良

スバルのプレオがエンジンがかからない時があるという。
確かにイグニッションをひねっても、かからない時はなんも音もしない。かかる時は普通だ。
キースイッチの接点が駄目になってんだな。サンバーなんかでもこの症状はよくみられる。
プレオはこの部分の保証延長が出てて、初年度登録から11年になってるが、このクルマは13年も経ってるのでアウトだw
交換したものを分解してみた。接点が焼けている。
プレオはスターターリレーがなく、マグネットスイッチのON電流が直接この接点を通る。この形状だと容量的にちょっと無理があるみたいだな・・・

2011年9月1日木曜日

煤がたまる

画はDA62VエブリィのISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)の中身。

バイメタルのバルブとステッピングモーターのバルブが直列に配置されている。スズキのNAのK6エンジンやK6に替わる直前のF6エンジンには、この形式のISCVが使われている。
走行距離が上がってくると、この辺りにカーボンが溜まってきて、アイドル不良が起きることがある。暖気後に回転が下がりすぎたり、ハンチング気味になったりする。

外部診断機を使ってISCVの開度が暖気後でも50%を超えている様なら、スロットルボディーを外して清掃した方がいい。スロットルボディー、ISCV通路、バルブ類を洗浄剤で慎重に清掃する。むやみに洗浄剤を吹きかけてはいけない。モーターやスロットルポジションセンサーに入り込むと、絶縁部が溶けて故障の原因になる。
洗浄すると、ISCVの開度は20%前後になる。カーボンで通路が塞がっていた分、開度が余計に必要だったからだ。

通常ISCVユニットから、ステップモーターとバイメタルバルブは取外すものではないらしく、この部分のOリングは部品設定がない。外しても再使用しなければならないので丁寧に扱う事。尚、バイメタルバルブは位置決めがあるので、取外す前に合いマークを付けて組み付け時にずれない様にする。

普通の工場?はISCVはユニットごと交換してしまうらしい。値段は2万円ちょっとするらしいけどね・・・

ISCVのカーボン詰まりのトラブルは、他のメーカーの車種でもよくある。カーボン堆積はオイル量の入れすぎが原因の一つだ。入れすぎてると高回転時に噴出して、ブローバイの通路からINマニに吸われてカーボン堆積の原因になる。オイル量はレベルゲージ中間ぐらいにしておくのが安全だ。アッパーぎりぎりまで入れる必要はない。

2011年8月29日月曜日

意外と使える

最近のクルマのヘッドライトの光軸調整は、プラスドライバーで調整できるものが多くなってきたが、一部の車種と日産車は8mmの六角ナットで調整するものもある。
六角ナットの場合は普通のラチェットハンドルだと、非常にやりづらい場合が多い。テスター屋さんが使ってる工具が手に入らないかと考えていたが、あれは結構な値段の様だ。

ストレートっていう安い輸入工具(台湾や中国製の所謂ドラゴンツールw)を扱う店に行ったら、ちょうどよさそうなのがあったので買ってみた。値段は3千円ちょい。
これは結構使える。今までの苦労はなんだったんだw
ドラゴンツールは安かろう悪かろう的なイメージがあるが、最近はそこそこの品質で以外と悪くない。但しなかには?なのもあるけどね・・・w

2011年8月11日木曜日

えらく長持ち

前にリブベルトは長持ちすると書いた。
画のベルトは上が新品で下のは約12万km使った物だ。クルマは17年のAZR60Gのヴォクシー。
ひび割れもなければそれほど痩せてもない。
この1AZエンジンは張り調整はオートテンショナーになっている。テンショナーとウォーターポンプのプーリーが、ベルトの背側で回される所謂サーペンタイン方式だが、ひび割れがまったくないのに驚いた。
どこまで使えるのかやってみようかとも思ったが、年間2万km以上走るお客さんなので、大事をとって交換する事にした。
比較的年数が経ってない事と、ベルトの取り回しやオートテンションの張り調整が絶妙なため、ここまで使えたのかもしれない。
最近のクルマは点検や車検時の部品交換が非常に少なくなってきている。部品商さんはなかなか大変らしい・・・

余談だがトヨタのAZ系エンジンのオートテンショナーのダンパーは、オイル漏れのトラブルが結構ある様だ。うちでもヴォクシーとエスティマで保証期間内に発見して、無償交換させた事がある。
対策品はオイルダンパーでなく、スプリングによるフリクションダンパーに変わった様だ。

2011年8月5日金曜日

回んない・・・

平成10年のRA3オデッセイ。走行は約8万km。
最初バッテリーが上がったとの事であったが、よくよくみるとスターターが回らない様だ。キーをスタート状態にして、マグネットスイッチをひっ叩いたら回りだした。
最近たまにエンジンがかからない時があったという。ほぼ間違いなくマグネットスイッチだろう・・・

スターターが回らない時は「カチン」といってピニオンは飛び出している様だ。この時マグネットスイッチのM接点の電圧を見るとほぼ0Vだった。この事からマグネットスイッチの接点が駄目なのが確認できた。
ここでM接点にB電圧がきていたら、これはスターターモーター自体の故障で、アーマチュアの断線かカーボンブラシの消耗が考えられる。

念のためばらしてみてプランジャを押して接点の導通を見ると、導通がなくなる時がある。やはり接触不良だった。
この程度の走行距離では、カーボンブラシやコンミュテータの摩耗はそれほど多くない。

故障原因は予想でほぼ断定できていたとしても、確証を必ず得なければいけない。予想だけで部品交換を行うのは「チェンジニア」のやる事だ。


このマグネットスイッチはばらす事ができないので、Assy交換になる。結構高く、18500円もする。ばらせて中の部品が出るなら数千円で済むのだが・・・
まあ、OHの工賃入れてもリビルトを使うよりか安く済む。(1万円以上高くなるw)
















マグネットスイッチを無理くり分解してみた。
やはり接点が大きく摩耗していた。
この手の症状は結構多いい。

しかしこの接点構造があまりよくないな。
普通は円形の接点で、プランジャ軸と共に回転して、接触点が常に変わる様になってるのが多いのだが。
この接点では摩耗が早いのはしかたがないな・・・

2011年8月1日月曜日

ベロベロになってた・・・

17年登録のL350Sダイハツタント。約66000km走ってる。
オイル交換で持ち上げてみたら、リアサスのスプリングのスペーサーがベロベロになっていた。
確か保証延長になってたはずなので、ディーラーさんに確認したら、部品を出すから交換してくれとの事。
リアのスプリング交換の標準工数は1.2時間なのだが、工賃は3080円しかくれない・・・
まあトヨタなどだと、現状確認で一度持ち込み、さらに後日の作業になるから、工賃安くてもうちで作業させてくれる方がありがたい。












新品と比べると酷いもんだw
対策品になってるらしいが、どうなんだろか?
そもそもスプリングの自由長が少し足らない様で、セット状態でスプリングの座金が一部浮いてるのが気になる。構造にも問題あるんじゃなかろうか?

2011年7月19日火曜日

最期は輪切りに・・・

最近の小型車の補機類の駆動は、いわゆるVベルトからリブベルトにほとんど代わってしまった。
Vベルトの頃は3万kmも使うと、ひび割れややせてきて交換したものだ。また張り調整も頻繁に行わないと、よくベルト鳴きがした。
折り返して使うサーペンタインは別だが、普通の取り回しのリブベルトは短い期間ならば、ちゃんと張り調整がされてると7~8万kmは平気で使える。張り調整もVベルトほど頻繁にする必要もない。 (サーペンタインは折り返しがきつくて、ひび割れが発生しやすい)
リブベルトは古くなってくると表面に細かいひび割れが出来てくるが、Vベルトのようにブチっと切れて終わる事は少ない様で、大抵写真の様にリブの谷に沿って輪切りになって終わる。
切断しないので、輪切りになってもある程度そのまま回っている。音が出るのでそれで気づく事が多い。
リブベルトは表面のひび割れよりも、山と谷の痩せ具合を気にした方がいい。
ただし古くなってくると、表面の弾力がなくなって音が出る事もあるので、そうなったら痩せやひび割れがなくても交換した方がいい。
リブベルトは一度滑り出して鳴くようになると、表面の弾力がなくなって鳴きやすくなるので要注意。音が出たらすぐ調整する。張っても鳴くようなら交換。
リブベルトはメーカー規定値より少しきつめに張りを調整した方がいい様だ。経験上思うのだが規定値通りだと、後々音が出る事が多い。新品に交換する時はきつすぎか?って程度に調整するとちょうどいい。

2011年6月27日月曜日

物は悪くないな

平成13年のRA1プレオ。
最近のクルマのマフラーはステンレス(と言ってもフェライト系の安いやつだが)になってきて腐りにくくなったが、ちょっと前の軽自動車なんかはテッチンで出来ていたので、古くなると爆音族車仕様になって困る。
この年代の軽自動車のマフラーはよく出る(よく腐るw)ので社外部品なんてのがある。
純正部品のおよそ7掛けぐらいの価格なので、ちょっとでも安く修理したいってお客さんにはお勧め。
物は悪くない。今回取ったものはステンレス製となっていて、ガスケットと取り付けナットも付属されていた。 ちなみに日本製だった。

社外品というと一昔前は怪しい物が多かったが、最近は結構まともになってきた。純正部品を作ってるメーカーが、別ルートで社外品として出してる場合もあり、純正と社外の違いがない場合もある。
社外部品だからといってバカにできないもんだw

2011年6月18日土曜日

手間は惜しまず

SV41のカムリ。
パワステポンプからフルードが漏れている。
下のドライブシャフトに垂れて、周りに飛び散ってる。
ポンプはリビルト品でも2万円弱する。
ポンプの脱着の標準工数を見たら2.5hもある。ドライブシャフトを脱着する必要がある。
えらい金額になるので、ポンプのシールキットを使ってOHする事にした。









ドライブシャフトを引っこ抜いてポンプを摘出。
外側をよく洗ってからOHにとっかっかる。
















OHは面倒な作業ではあるがけっして難しくはない。
分解時はベーンがバラバラにならない様に要注意。















交換した部品。
漏れの原因はボディーパッキンのでかいOリングが劣化していたからの様だ。
シールキットは2000円ちょっと。
手間はかかるが総合的に安く修理できて、お客さんには喜ばれる。
時間勝負のやり方じゃできない事かもしれんな・・・

2011年5月16日月曜日

足が出た~

平成16年DA62Vのエブリー、67000km走行。
高速道路を走行中、突然エンジンが止まって走行不能になったという。
この年式の頃のK6Aエンジンはクランク角センサーがよく壊れるので、最初はこれがだめなんじゃないかと思った。運び込まれてすぐにエンジンをかけてみると、1発死んでるが何とか回っていた。
何だ?と思い下を見ると、エンジンオイルが噴出していた。持ち上げてみてびっくり!クランクケースに大穴が開いてるじゃないですかw
よくよく見るとクランクに付いてるはずの2番シリンダのコンロッドが見当たらないし、クランクケースは向こう側にも大穴が開いてる・・・レーサーのエンジンじゃあるまいし、なんで足が出るかな・・・w

この手の軽トラやバンは車体が完全に駄目になるまで使われるらしく、縦置きのK6Aエンジンの中古品は非常に品薄状態になってるらしい。10万km以上の中古でも10万円以上する有様で、リビルト品になると20万円以上もする。
懇意にしてる解体屋さん頼んだら、運良く仲間内から格安の値段で調達してくれた。
中古エンジンが手に入らなかったら、腰下の部品かき集めて直そうかとも思ったが、部品代だけで結構な額になるので諦めた。

エンジン載換えできたので、何がおきたのか分解してみる事にした。
このお客さんはエンジンオイル管理がいい加減で、2万kmぐらい平気でそのままで使っていた。以前から注意する様に言っていたのだが・・・
カーボンが堆積してオイルシールが痛み滲んできている。



オイルパンを外してみると、2番シリンダピストンがオイルリングの辺りから割れて、ピストン上部だけシリンダに残っていた。奇しくもこの前のライトエースと同じ様な壊れ方だ。 ただ違うのはコンロッド大端のクランクピンが異常な焼け方をしている。

オイルパンの底にはピストン下部が粉々になって残っていた・・・








ヘッドカバーをはずして見入ると、ヘドロ状にスラッジが溜まっている。7万kmも走ってないのに、こんなに溜まってるのは異常だw
スラッジは溜まっているが、カム山やジャーナルは意外と摩耗してない。いままでの経験上、オイルはとりあえず入っていれば極端に摩耗する事は無い。しかしオイル交換のサイクルが長くなればその分カーボンが堆積してくる。












燃焼室はそれほどカーボンは溜まっていない。
2番は排気バルブに当たった後がある。













あれだけオイル管理が悪くてもクランクのジャーナルも大きな摩耗はない。













正常なシリンダのピストンは、オイルリングはおろかコンプレッションリングまでも固着していた。
オイルリングの固着はオイル消費の原因になる。
シリンダにはクランクジャーナルから飛び散ったオイルが付着して潤滑を行っているが、付着したオイルはオイルリングで掻き落とされて、オイルリング溝の奥にある穴からピストン裏に落される。カーボンが堆積してこの穴が塞がれば、オイルは掻き落とせなくなりシリンダ内で燃焼して無くなる。






2番のクランクジャーナルだけが異常に焼けている。
おそらく落ちたカーボンがオイルギャラリを塞いで潤滑不良を起したのではないだろうか。
















2番シリンダにはピストンヘッドが残っていた。シリンダ側面 は相当強く当たったらしく、ライナーが裂けて冷却水がシリンダ内に漏れている。
クランクピンが焼きついて固着し、ピストンがシリンダ側面に無理に押された事によるのだろう。その衝撃でピストンはオイルリング溝の辺りから砕けて、コンロッドがケース内で暴れて飛び出した様だ。

しかしこのK6Aエンジンというのは華奢な作りだな。(ある意味攻めた作りで無駄がないともいえる)
シリンダはオープンデッキでライナーもサイアミューズでなく一本づつ独立している。ターボ車で下手に加給圧上げたらすぐ壊れそうだw


2番ピストンは凄まじい壊れ方だ・・・




















クランクケースには両側に大穴が・・・
ちょっとぶっ叩けば真っ二つになりそうだw













結局2番のコンロッドはこの僅かな破片以外はエンジン内には残ってなかった。
破片の色から見ても相当焼けていた感じだ。

しかし高速道路上にコンロッドを落っことしてくるとは・・・

2011年4月19日火曜日

二個で一個

最近のエンジンはプラグの上に直接イグニッションコイルが付いた、ダイレクトイグニッションが多くなってきたが、ちょっと前にはコイル一個で二気筒を点火する物があった。4気筒エンジンの場合、1-4と2-3がそれぞれ組みになってる。
この手のは回路上、一方のプラグは通常の様に中心電極から火花が飛ぶが、もう一方は逆に接地電極から中心電極に向かって火花が飛ぶ。
おまけに同時点火なのでプラグの消耗も早い。





左が接地側から火花が飛んでいた方で、右が中心電極から飛んでる方。
ちょっとわかりにくいが、左の方は接地側についてる貴金属チップが摩耗してクレーター状になっている。
右のは接地側の摩耗は無い代わりに、左のと比べると中心電極が少し短くなっている。
接地側にもチップが付いてるプラグならいいが、中心電極のみの安い白金やイリジウムプラグだと、接地電極がすぐ摩耗してしまうので要注意だ。
この手のは定期的にプラグを入れ替えてローテーションすると寿命が延びる。
白金やイリジウムプラグは通常点検項目を省略できるが、この手の点火システムの場合は必ず点検する必要がある。

2011年3月11日金曜日

熔接すっか・・・

平成10年のKK3ヴィヴィオ。 年数相応でマフラーエンドに穴があいている。
本当なら交換したいけど、2万6千円ぐらいするので、簡単には交換できない・・・
マフラーパテじゃすぐ剥れちゃうだろう。熔接でパッチを当てようかと思ったが、腐食が激しいのでだめだ・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マフラー内部は思ったほど腐食していないので、ボンデ板を丸めて被せる事にした。
本当なら0.7mmぐらいの厚さgはいいが、手元には1.0mmしかなかったのでこれで我慢した。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
三本ローラーでボンデ板を丸める。
この三本ローラーはおいらの私物だ。バイクのマフラーなんか作るのに重宝してる。こんな物持ってる奴は物好きだよなw
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
マフラーに被せて番線で締め付けて仮止めする。
うまい事くっ付きそうだw
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
TIGで熔接する。
所々腐食してて熔接しにくかった。ビードがいまいちだw
あとは耐熱塗料で塗装して出来上がり。

TIG熔接機もおいらの私物。普通の自動車屋でもTIGなんかあるうちはないだろう。その昔サラリーマンやってた頃に趣味で入手したが、今では結構役に立っている。他にガスに棒アークにCO2なんかも得意だ。熔接屋でも結構やってけるかもしれないw